過去81 ページ34
抱えてあった敵を地面に叩きつける。敵はすぐに呻き声を上げながら意識を取り戻した、上に跨がり四肢を押さえつけその者の顔を隠してあったフードを払う。
何となく予想していたが、子供だった。
10歳前後だろうか、顔色は悪く、目の下には隈がくっきりとついている。
「……目的は? 仲間は何人?」
子供は答えるつもりはないという意思表示のように口を一文字に結びながら、丸い目でこちらを睨み付けている。
「今ここで洗いざらい吐くなら命の保証はしたげる。吐かないなら拷問を始める。10,9,8……」
こちらの言葉に答えず、ただじっとこちらを見つめるだけの子供に苛立ちが募る。
子供に見覚えはなく、命を狙われる覚えもない。
「3,2,1」
10秒、たかが10秒、その時は実にあっさりと訪れた。
「0」
口にすると同時に立ち上がり、子供の右足を足首の上から踏み抜いた。骨の砕ける感触がある。
子供は悲鳴をあげ、折られた右足を押さえのたうち回る。
「次は左、殺されないだろうなんて甘い考え捨てなよ。話さないなら人質としての価値しかないんだから、四肢をもいで目も耳を潰す」
今の発言が聞こえているかは反応からは分からない。子供は痛みで地面をのたうち周り続けている
。その金切り声が頭に響く、脂汗が止まらない、刺された傷口がマグマのように燃えている。そんなに深く刺された感覚はないのに。
もはや逃げられないだろうと判断をし、右手を傷口にやる、ぬるりと生暖かい感触が指先に伝わった。触った箇所がさらに痛むが、感覚からもやはり深いところには刺さってなさそうだ。
ふと、塗れた手を見て、衝撃が走った。傷口周りの液体は赤紫色であった。
尋常ではない状態に己があると悟った。途端に、焦りが生じる。
「何を、使った? 何を使って私を刺した!?」
未だに悲鳴をあげ続ける子供を再度押さえつけ、その腰に仕舞われていた凶器を確認した。
左のポケットにそれは入っていた。
何の変哲もない、ナイフ。その鞘に隠された刀身は見えない。
恐る恐る、その鞘を外す。
鞘と柄が開く僅かな隙間が生じた瞬間から、禍々しいオーラが溢れ出す。
そのまま指を動かし、その刀身を全てを晒した。
赤紫の、水晶のような刀身がそこに光っていた。
519人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カンナ(プロフ) - お返事ありがとうございます!嬉しいです、、応援してます!これからも楽しみに読んでいきます! (3月28日 3時) (レス) id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
あやこ(プロフ) - カンナさん» カンナさん、コメントありがとうございます。 お待たせして申し訳ありません。part2やっと終わりました。part3は少しでも更新頻度を上げれるよう頑張りますので、是非最後までよろしくお願いします。 (3月26日 0時) (レス) id: 7bf5456e4c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 素晴らしすぎる作品に出会えました、、、この出会いに感謝しかないです.お忙しいとは思いますが、無理ない程度に更新していただけると全わたしが歓喜します。応援してます! (3月18日 10時) (レス) @page46 id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
あやこ(プロフ) - 天音さん» 天音さん、コメントありがとうございます。お待たせして申し訳ありません、ストーリーはまだまだ続きますので、是非最後までよろしくお願いします。 (3月9日 21時) (レス) @page46 id: 172db88909 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - とても素晴らしい作品に出会えたことに感動してコメントを残したくなりました。読んでいて時間を忘れるほどに面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (8月28日 20時) (レス) id: 2158ec844c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやこ | 作成日時:2018年11月13日 23時