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「ごめん!お母さん!
私泥まみれになっちゃったから先にお風呂に入ってくるね!」
フル回転した私の脳ミソが導き出した結論は、露骨な時間稼ぎの言葉だった
「え、姉ちゃんお風呂行くのー?オレも行くー一緒に入ろう!」
かけよってくるキルアに心の中でナイスと親指を立てる
「いいよーキルア、一緒に行こう!
そういう事だからまた後で!」
キルアを抱えて脱衣所に向かうまでは良かった、そしてそこから服を脱ぎ、湯船に浸かるまでもよかった
問題はその10数分後だ、スパンと浴室の扉が開いたかと思えばつい先程逃げてきたイルミが怒り心頭と言った様子で浴室に入ってきたのだ
◇
10数分前
キルアを抱えて浴室に走るAの後に残ったのは、ヒステリーを起こしているキキョウと、苛立ったイルミ、そしてその二人に挟まれるシルバだった
「一体何を考えているの!!?
せっかくAちゃんが生きていたのにまた外に出ていいなんて言うなんて!!」
「父さんだって分かっているだろ、Aはゾルディックに必要だ……」
2人の言葉を聞きながらシルバは重々しく口を開く
「Aは、あいつはもしあの時オレが、外に出る事を許さなかったら、そのまま門を出て、二度とこの家には帰ってこなかっただろうよ」
「なっ……!」
「は?」
言っている本人さえ眉を潜めるその発言は妙な確信に満ちていた
「あいつは、自由を求めている、下手に縛ると逆に離れていくぞ
行きたいと言うなら行かすしかない、あれはそういう女だ」
シルバの話を聞き、イルミは押し黙る
内容は理解できるが、納得ができない、受け入れる事ができない
気が狂いそうになるほど会いたかった片割れ
もう離れたくない片割れ
あの心音を聞いて生きていた
あの手を取って歩いていた
自分の一部だと思っていた
それが自分の手元からまた離れていこうとするのだ、どうして受け入れる事ができようか
「……オレも風呂に入ってくるよ」
背を向けるイルミをキキョウもシルバと止めることはなかった
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カンナ(プロフ) - お返事ありがとうございます!嬉しいです、、応援してます!これからも楽しみに読んでいきます! (3月28日 3時) (レス) id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
あやこ(プロフ) - カンナさん» カンナさん、コメントありがとうございます。 お待たせして申し訳ありません。part2やっと終わりました。part3は少しでも更新頻度を上げれるよう頑張りますので、是非最後までよろしくお願いします。 (3月26日 0時) (レス) id: 7bf5456e4c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 素晴らしすぎる作品に出会えました、、、この出会いに感謝しかないです.お忙しいとは思いますが、無理ない程度に更新していただけると全わたしが歓喜します。応援してます! (3月18日 10時) (レス) @page46 id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
あやこ(プロフ) - 天音さん» 天音さん、コメントありがとうございます。お待たせして申し訳ありません、ストーリーはまだまだ続きますので、是非最後までよろしくお願いします。 (3月9日 21時) (レス) @page46 id: 172db88909 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - とても素晴らしい作品に出会えたことに感動してコメントを残したくなりました。読んでいて時間を忘れるほどに面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (8月28日 20時) (レス) id: 2158ec844c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやこ | 作成日時:2018年11月13日 23時