五十九話 ページ10
ＮＯside
老人が本を開いて、学び舎に来る若者に国の歴史を説いていた
「この国は元々は我々国の領地では無かったと言われている。ある戦争をきっかけに国は傘下に下ったが、その戦争についての詳しい事情は分からない。ただ、当時の国はとても酷いものだったらしい」
「具体的にはどんな感じです？」
「男性、医者の徴兵や13歳以下の教育は優秀な成績を収めたものか、貴族の子供だけ。今は成人は18歳だが、13歳だった」
カツカツと黒板にチョークが走る
驚きの声が教室内に響く
「戦争ではNo.2の反乱で敗戦し、上層部は処刑されたそうだ。その時に反乱を起こした幹部も一緒に処刑された書物には書いてある」
「その時期に我々国の幹部が増えていたんですよね？」
「あぁ。ショッピ様よりも前に入った方とその戦争の後に入った幹部様は同一人物説と別人説がある。私は別人説が正しいと思うがね」
「何故ですか？」
「城に務めていた職員の意見が食い違っているからだよ。1人目は髪が短い男でアリーチェという女性を連れていた。医者で非戦闘だが、武道を極めていて侵入者が入っても2,3人程度なら相手出来たそうだ。2人目は髪がグラデーションで女でオスマン様の幼馴染みだった。医者だが、よく戦場に繰り出しては敵軍を破滅させた」
教科書に乗っている彼等の写真は色褪せており、丁度謎の幹部の顔は写っていない
全員が老人の話を前のめりで聞いている
鐘がなり老人が教科書を閉じた
「今日はここまで」
「最後に質問いいですか！その幹部の最後と名前は！？」
「名は確か…ジュリアと何だったかな。最後は幹部に囲まれての病死と戦死だそうだ。彼らは多くを私、子孫に残すことを嫌った。全てを知るのは100年以上前に亡くなった幹部の養子、ハヤテ様だけだろう」
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