戦う軍医の最終任務【我々だ】 (ページ7)

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五十六話ページ7

jra side

何故諦めてくれない？
もう嫌なんよ
誰かを失うんも、裏切られるんも。
もう懲り懲りや

eml「もう一度私達の仲間になりませんか？スパイだった時のあなたは確かに私達の仲間でした」

jra「私はもう、何百という国と文化を愛す事は出来ん。どれだけ貴方が勧誘に来てもそれは絶対変わらん。私は自分勝手やから。もし、国を愛したら裏切られた時に今と同じ道を辿ってしまう」

syp「ジュリアさんは俺達が裏切ると思っとんのですか」

信じられん訳やない。それだけは確か
ただ、怖い。何がと言われると困るが

仲間を失うのも家族を失うのも慣れてしまった私が何を怖いと思うのかは分からない

jra「さぁ？どうやと思う？」

だから誤魔化すのだ
誤魔化して誤魔化してどれが真実か分からなくしてしまうのだ

eml「私達は死にません。貴方の仲間になりたい」

jra「そう言って…」

真実の混ざった嘘は分かりにくい。
そして、その嘘は段々と自分を染めていって全て黒くしてしまうと知っている

ああ痛い、凄く痛い。痛みなんか忘れた筈なのに

syp「ジュリアさん。今日は帰りますけど、何か言うことあります？」

jra「もう来んといて」

eml「明日は総出で来ますよ。総統直々に勧誘するみたいです」

来るんかい

jra「そう。次は拘束具(これ)外してくれると嬉しいわ」

eml「交渉してみますね」

私の目が隠されていて良かった
こんな顔見せられない