五十五話 ページ6
syp side
つい昨日まで敵陣だった中に入るというのは中々勇気がいるもんやなぁ
顔には出ていないがガチガチのエミさんを見つめてふと考える
ジュリア先輩と面談をするエミさんの護衛の為に来たは良いが中々エミさんが進んでいない
syp「何してるんです？はよ入らんと」
eml「分かってはいるんですが、彼女が敵に回ったと考えると中々勇気が必要で…」
syp「まぁ、分からなくはないっす。得体がしれないっすからね」
eml「彼女と対面すると人と話してないように錯覚するんです。手ぶらでは帰れませんし、行きますか」
門に立っていた2人の兵士が俺達の顔を見て敬礼をし、牢獄へと案内する
牢獄は監視官が居るはずだが人は居らず、監視カメラがそこらじゅうを見回していた
そんな謎もジュリアさんの牢を見れば解決した
ジュリアさんの顔は覆われ、腕を通せば二度と身動きが取れないだろう服に身を包んでいた
それだけでなく4方向からの監視カメラにスピーカー。
分厚いガラスの先にはガチガチに拘束された誰かもわからない先輩が座っていた
syp「監視はおらんの？」
「はい。口が達者で担当した殆どが3日程で洗脳される始末です。そこで拘束具を増やし、監視カメラに切り替えました」
syp「洗脳されたやつはどうなったん？」
「別室に隔離しています、暴れ出すので。拘束具を外しますね。顔が判明しないように目だけは外しませんので」
透明の向こうで監視官がジュリアさんの拘束具を外していく
全く身動きしなかったジュリアさんが口を開いた
jra「君は新しい人だね。前の担当はどうしたんだい？」
監視官はその言葉を返すことはなく、無言で外していく
jra「警戒しているからか話してくれる人がいなくてね。久しぶりに話せると思ったんだが、無駄な様だ。来客者は一体誰かな？」
きっと全て本心だ
本心を並べていって自分達の様子を伺っている
あなたは誰ですかって感じや
eml「お久しぶりです、ジュリアさん。貴方の勧誘に来ました」
jra「久しぶりやね。私の執行日延ばしたって聞いとるわ。諦めてくれんの？」
eml「諦めません。私達の総統は随分とジュリアさんのことを気に入ってしもうたようで。諦めが悪いの知っとるでしょう」
その話をした途端にジュリアさんの空気が少し淀んだように感じる
その話は終わったと思っとるんやな
jra「私は死にたいの」
ああ、この人も素直じゃないんやな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 176人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
