滞在日誌3 ページ45
｀
｢はい。嫌いなものとかあったら残していいからね｣
色とりどりの食材が使われた子供用のお子様プレート。
Aは『いたーきます！』と手を合わせて食べ始めた。
ふにふにのほっぺいっぱいにものを詰めて、もぐもぐと咀嚼するA
隣のクザンはもちろん、興味で周りに集まっていた海兵たちまで全員が癒されていた。
本来、肉食動物のAだがまだまだ幼いからか、どこか小動物のようなところもある。
大半が男の海兵の中で、花のひとつもあれば和むものだ。
ぱくぱくと順調に食べ進めていたAだが、ふとその進みが遅くなった。
周りで観察していた者がそれに気づかないはずもなく
｢ど、ど、どうしたんだ…？｣
｢お腹いっぱいなのか？｣
｢大丈夫か？｣
端的に言おう
過保護過ぎる。
｢好き嫌いせず全部食わんかい｣
突如大きくゴツゴツした手が、Aの握るスプーンを使って、口に何かを突っ込んだ。
｢おいおい、それはねェよサカヅキ｣
｢こうでもせんと食わんじゃろ｣
うっすらと目に涙を浮かべたAだが、口に入れられたものは出したくないのか、鼻をつまんで一生懸命口を動かす。
どうやらAはピーマンとニンジンが嫌いらしい。
しばらくの間ずっと口を動かしていたが、やっとのことで飲み込んだ。
ハラハラしながら見守っていた周りの大人たちはホット胸をなでおろし、口々に
｢Aちゃん偉い！！｣
｢よく頑張ったなあ｣
とベタベタに褒め称える。
更には、
クザンとは反対のAの隣に座ったサカヅキまでもが、ゴツゴツした手で頭をワシワシと撫でた。
普段見ない柔らかい表情のサカヅキに海兵は驚きに目を見開いたが、褒められて照れくさそうに笑うAに心を奪われたらしい。
すぐに頬を緩めさせた。
｢ところで、何でお前がいんの｣
｢元帥、書類｣
｢……ちょっと行ってくる｣
急に顔色を悪くさせたクザンは、すくっと立ち上がると早足で食堂を出ていった。
『青さんどーしたの？』
｢お前が気にすることはないけぇ｣
『あーい』
一瞬不思議そうな顔をしたAだが、すぐに元気よく頷いてご飯を食べきった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1467人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギザラス(プロフ) - テスト頑張って そして無事戻ってきてください (2020年7月2日 0時) (
レス) id: 1fe190bcff (このIDを非表示/違反報告)
果耶(プロフ) - テスト頑張っください！ (2020年7月1日 21時) (レス) id: ca4e14c205 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - オリ主ちゃんが可愛くて最高です(笑) 更新大変だとは思いますが、無理せずに頑張ってください。応援してます！！ (2020年6月30日 20時) (レス) id: 151caa4874 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか？ (2020年6月15日 20時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ろりお(プロフ) - コクマさん» めちゃくちゃ嬉しい褒め言葉！！頑張ります〜！ (2020年6月15日 20時) (レス) id: 38c94b38d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白米 | 作成日時：2020年4月2日 0時
