航海日誌36 ページ37
`
｢ちょっと兄ちゃんたち、これの鍵くれ｣
人攫いの二人を軽々と倒した男は、ずいっと二人に近づき箱の鍵を受け取った。
｢大将！！こいつらはどう致しましょうか！｣
部下のような男からそう尋ねられても、
｢適当に船に乗せといてよ｣
と適当に返事をする。
そしてドリンクカーを片手で担ぐと、そのまま歩き始めた。
しばらく歩くと、隠すように泊めてあった船が見えてくる。
男はそれに躊躇いなく乗り込んだ。
船には既に、何十人もの同じ格好をした人間が乗っていた。
その間を悠々と通った彼
｢…あー、全員乗ったら…えー、なんだ……忘れた。もういいや｣
｢｢船を出します！！｣｣
慣れたように部下が口を揃えてそういったのを聞くと、ドリンクカーを持ったまま船室へと入っていった。
ガタッ
｢あ、開いた｣
男が大きい体を曲げてドリンクカーを覗こうとした時、同じように中からAが顔をのぞかせたようで、
ゴッ
と鈍い音が響いた。
『…うっ』
｢あららら。ごめんよ、大丈夫？｣
頭を抑えたままAは周りを見渡したあと、目の前の男へと視線を移した。
『おじちゃん、だれ』
｢おれ？おれは…クザン。青キジだ｣
珍しく警戒心むき出しのA
と思いきや…
『…青さん、わるい人？』
｢いやいや、おれァ良い人よ。あと青キジね｣
『じゃーだいじょーぶだ』
…一瞬で警戒を解いた。
『青さんここどこー？』
｢青ｯ、いや……まァいいか。ここは船の上だ｣
『…なんで？』
｢あー、きみにどうしても会いたいって人がいる……のか？｣
『わかんない』
｢まァそんな感じだ｣
『そっか〜』
どこまでもだらけきったこの男
しかし、どことなくAと波長が合うのか、船が目的地に着くまでの間でかなり仲良くなっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1467人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギザラス(プロフ) - テスト頑張って そして無事戻ってきてください (2020年7月2日 0時) (
レス) id: 1fe190bcff (このIDを非表示/違反報告)
果耶(プロフ) - テスト頑張っください！ (2020年7月1日 21時) (レス) id: ca4e14c205 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - オリ主ちゃんが可愛くて最高です(笑) 更新大変だとは思いますが、無理せずに頑張ってください。応援してます！！ (2020年6月30日 20時) (レス) id: 151caa4874 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか？ (2020年6月15日 20時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ろりお(プロフ) - コクマさん» めちゃくちゃ嬉しい褒め言葉！！頑張ります〜！ (2020年6月15日 20時) (レス) id: 38c94b38d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白米 | 作成日時：2020年4月2日 0時
