泣き虫少女と盗賊団 (ページ43)

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Episode190 ／連戦の闇ページ43

嘘でしょ。こいつ本気で離すつもりないじゃん。

もう怒った

カウントが5まで進んだ時、私は練をしてサダソだけに殺意を込めたオーラを飛ばした。

私が普段でもあまり出さないレベルの殺気。

サダソは吹っ飛んで失神しかけ、私を捕まえている念を弱めた。

その隙に抜け出して私は体を動かす。

｢ダウン！A！｣

ダウンで2ポイント私に入る。

そして息を大きく吸って

『死んでねーよばか！離せよ！ふざけんな！！』

ありったけの声で叫んだ。

｢な、な、なんと！死んだフリをしていたのでしょうかA選手！めちゃくちゃ元気そうです！｣

｢続行できるか？｣

審判に声をかけられたサダソは、のっそりと起き上がった。

凝を怠らなければ怖い相手なんかではない。

『どーやってさっきの仕返ししよーかなー』

｢A選手！顔は見えませんがきっと凄く笑顔でしょう！｣

実況ひどくない？

まぁ事実だけど。

とりあえず軽く地面を蹴ってサダソの前に行く。

サダソはまた左腕を使って私を捕まえようとするが、見えるものを避けれないほど鈍臭くない。

とりあえず跳んで今までのように回し蹴りを顔面へぶつける。

｢クリーンヒットアンドダウン！｣

『これで同点だね？』

綺麗に決まったけど、跳んでる分威力も落ちるし念でのガードもあってか、致命傷までは行かないらしい。

まぁそう簡単に倒れられても困るんだけど。

そしてもう一回、今度は硬で同じように蹴ろうとすれば避けられた。

｢同じ手流石に２回も喰らわ…がっ…｣

『脚技しか使えないと思ってるんですかー？』

左で殴ったからね。結構威力あるんじゃない？

｢…失神によるKOとみなし！！勝者、A選手！！｣

呆気なかった。

周りの歓声がすごいから、軽く手を振っておく。

そしてしっかりとフードを被り直して、次の相手を待った。

｢無事勝利を収めたA選手！！ここで異例の、二連戦が始まりますっ！！｣

実況の声に合わせて、わーっと歓声があがる。

｢対する相手は！休みがちの死神！ヒソカ選手！現在8勝2敗ですが負けはいずれも欠場によるもの！｣

向こう側からのんびりとヒソカが歩いてくる。

｢やぁ♥｣

『ストーカーめ』

ゆらゆらとトランプを持った手を振り、そのまま私にトランプを投げた。

手でそれを掴んで投げ返す。まだ試合は始まっていない。

｢始め！｣

その合図で動いたのは私だった。