Episode166 ／ 居場所 ページ19
朝、目が覚めると縛られていた。
『…え』
周りを見れば、大きないびきをかきながら寝るウボォーとノブナガ。
『なんで私縛られてるの？』
しかも鎖。
『ねー、起きてよー』
朝から鎖を解くような力は生憎持ち合わせてない。
すうう、と息を吸ってアジトいっぱいに響き渡るように叫んだ。
『…助けてーーーーー！！！』
しかし寝起き。だめだった。
そろそろ腕と身体が痛い。
なんとしてでも解いてもらいたい…。
そこで私はノブナガとウボォーに向けて濃い殺気を含んだオーラを飛ばした。
｢ ｢…っ｣ ｣
飛び起きてすぐに戦闘体勢に入る二人に声をかける。
『これ、取ってよ』
｢…今のはお前か？｣
『うん、身体痛いはやく』
大きなため息をついてから、ノブナガが刀で鎖を切った。
『ありがとー。てかなんで縛られてたの？私』
｢…覚えてねぇのはタチ悪ぃぜおい｣
｢思い出さない方がいいんじゃねぇかァ？｣
ノブナガに続いてウボォーまでため息をつく。
うーん、思い出せない。
ノブナガと戦ってたら辺までは記憶あるんだけど。あれ、私勝ったのかな。
しばらくすると団員が続々と起きてきた。
みんな後2日ほどはここ、アジトにいるらしい。
私もそろそろゴンたちの元へ行こうかなー。
マチ、シャル、シズクとダウトをする。
シャル以外はポーカーフェイスがうますぎて全然わからない。
『ダウト！』
｢ごめん｣
マチが出したカードを裏返すと、ジョーカーの絵が。
『…私だけカードの量がやばくないですか。』
｢A弱いからね｣
｢仕方ないさ、Aだから｣
泣く真似をすればフェイタンに鼻で笑われた。
本読んでくせに。
｢あ、A。次の仕事参加するのかい？｣
『んー…なんの仕事？』
｢ヨークシンに8月30日正午までに暇なやつは集合。内容はまだ教えてもらってないけど｣
『…ヨークシンか。暇だったら行くよ』
そして２日後、私もアジトを出ることを告げた。
｢意外と早いね、もっといればいいのに｣
『えー、だってみんな行っちゃうんでしょ？あ、これ私の連絡先。登録しといてよ』
｢おっけー｣
｢どこ行くんだい？｣
そう言ったマチに、ゾルディック家と伝えてからアジトを出た。
久しぶりにゆっくり出来た。
やっぱり、旅団は暖かい。
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年8月17日 22時
