オレを好きになってよ。3【手嶋純太】

You gotta love it 22. ページ23

屋上へと行ける扉を開けると、
心地いい風が顔をかすめた。






そして。




屋上フェンスの所に居る奴の姿を
あたしの目が捉えた。







来たか。






‥‥‥‥ゴクリ、 生唾をのむ。







「純ちゃん、ここで見てて」



「‥え、でもよ」



「大丈夫、大丈夫だから。

でも、もし何かあったら‥すぐ来てね？」






最後の方はもう苦笑いでそう告げてた。






「‥いってきますっ」



最後にちゃんと純ちゃんの目を見てから、
背を向けて歩き出した。












‥大丈夫。 大丈夫。






自分に暗示かけるように心で何回も唱える。







「‥よぉ」





あたしの足音ですぐ側まで来たとわかったんだろう。



あたしに背を向け、フェンスにもたれかかった
状態で挨拶して来た。






「‥‥よ。 ちゃんと‥来たんだね、来ないと思ったわ」






大丈夫って言い聞かせてても、
体は、心は正直なもんで。



心臓バックバク言ってるし、
言葉は途切れ途切れだし。







どのタイマンでもここまで緊張する事は
なかったよな‥


いや、それ以前に負け試合なんて無かったし。












「‥あ？ どしたのあんたその顔」





こちらをくるりと向いた目の前の男の顔が
酷いことになっている。





流石にこれにはびっくり。











「姉貴にやられたんだよ」





！？ なんと。






これまた驚いた‥‥‥





「‥‥悪かった ボコって」




「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥は？‥‥はい？」





「姉貴から連絡来たんだよ。

オレがお前をボコッたって聞いたって。

‥‥それでオレがやられた」








「‥‥へー、ソウ、ナンダ‥‥」




なんか拍子抜けーー









「リクさんから聞いたって。

姉貴が、クソな弟が申し訳ない。って

確かにリクさんにお前が告られて姉貴がフラれた

のは憎んでたって言ってたけど昔の事だから‥と」







「‥あ、そう、なのネー」






「オレが勝手にやった事だから‥さ。

姉貴を悪く思わないでやって。

オレは許してもらわなくていいから。



‥‥‥って言えた口じゃないよな‥」









「うん、許さん





‥‥だってあんた複数つれてきたもん。」








「‥あ、は？」






お前何言い出してんだ、みたいな顔。







「タイマンならまだしもあんなのリンチだろ

ムカついたんだよねー」

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