溺愛ロジック 2

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「す、水族館行きたいです…」

ほんとは別に行きたくないけど、抱かれるよりは100倍もマシだ。

「…」

私の足をようやく離してくれて考え込む先生。

「じゃあ水族館終わったらな」

いつもの優しい笑顔になって安心する私。

…よし。できるだけ遠いところを希望しよう。

そうしたらそんなことする時間はないはず。

なんなら「生理になっちゃいました」って嘘ついちゃおう。

「あの、学校の子が来ないくらい遠いとこがいいです…」

「何で？」

「…人目を気にせずにいちゃいちゃしたいな、なんて…」

これなら納得してくれるかな…

目を丸くしたあと、嬉しそうに笑う先生に罪悪感で胸が傷む。

「わかった。じゃあお母さん心配するといけないから帰ろう」

車が動き出して、ようやく家に帰れるんだって安心した。



お母さんは藤ヶ谷先生来たことにびっくりしてた。

「あら、何で？！先生すみません…A、玉森くんに送ってもらうって言ってたじゃない」

「うっ、あの…」

「偶然僕が見かけたんで。あの、広瀬がいた所は治安もよくないし女の子が夜出歩くのは危険なので、お母さんからもよく言い聞かせて頂きたいのですが…」

一番危険なのは先生だけど。

「まあ、そうですか。すみません…彼氏が一緒なら大丈夫かと思ったので」

「彼氏？」

「お母さん！違うから！」

「だって家の前で抱き合ってたじゃない」

お母さん、もう嫌(涙)

「…玉森が色々ちょっかい出してきて広瀬も迷惑してるんで、また見かけたら注意していただけますか？」

「いい子そうでしたけど…残念だわ」

「何かありましたらいつでも僕に相談して下さい」

「先生、ほんとに色々ありがとうございます。ほら、Aも」

「…ありがとう、ございます…」

「いえ。では失礼します」

先生が行っちゃうとお母さんが「先生の顔がかっこよすぎて見とれちゃって、あまり話が入ってこなかったわ〜♪」って言ってた…


部屋に帰り、携帯を見ると玉森くんからの着歴が3件もあった。

けど今日の玉森くん怖かったし、これからはほんとに関わったら玉森くんが危険だから、かけ直さなかった。

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