溺愛ロジック 2

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北山side

「じゃあ分かれて見回りしたあと、また20時にここで集合っつーことで。」

「そうだな」

「横尾先生もそれでいいっすか？」

「…」

横尾先生は基本無口だ。まあ頷いてるっつーことは賛成って意味だよな？

ゲーセンに入る。

夜だからかやっぱりガラの悪いのもいて、うちの生徒はいないか心配だったけど、店内回ってもいなかったから、ゲーセンを出た。

俺が高校生の頃なんか余裕で夜遊んでたけどな。

それでも夜はやっぱり出歩かないほうが事件に巻き込まれる可能性も少ないし、実際変な野郎に付いていきそうになった女生徒を止めれたこともあるし、見回りは必要だと俺は思う。

すっかり夜なのに店のライトがギラギラと光っていて繁華街は賑やかだった。

今日は特に問題なさそうだな。

反対回りを見てきた藤ヶ谷が向こうから歩いてきた。

「北山。どうだった？」

「お〜、何も…ん？」

漫画喫茶から玉森と広瀬が出てきた。広瀬が玉森に引っ張られて早足になっている。

「広瀬！」

二人が振り返る。

「お前ら、こんな遅くに制服で出歩いたらダメだろ」

「…すいません」

玉森は対して気にしてなさそうに謝った。まあ見つかったからって厳重注意くらいだしな。

それより、かなり私情を挟ませてもらうと、広瀬は何やってんだ。いじめられてるかもしれなくて悩んでたのに、玉森といちゃいちゃしてんのかよ。

漫画喫茶を見つめる。ここ確か個室があってカップル向けだって聞いたことがある。

俺のこと好きっつっといて、これかよ。

広瀬に失望する俺。

「広瀬」

固まってる俺の横を通って藤ヶ谷が広瀬に声をかけた。広瀬がビクッとなる。

「送ってくから一緒に帰ろう」

「…先生、いいっすよ、俺、家まで送る約束してるんで」

玉森を無視して広瀬の腕を掴む藤ヶ谷。

「行くよ」

藤ヶ谷は広瀬を引っ張って行ってしまった。

玉森を見るとむちゃくちゃ機嫌悪そうな顔をしてる。

「…お前ももう帰れよ。遅いから」

「北山先生、車？」

「藤ヶ谷先生に乗せてきてもらったから俺帰りは歩きだわ(笑)」

自分の車で来れば良かったな。

「…あの人おかしいよ」

「あの人って？」

「藤ヶ谷…先生。」

こいつ普段は教師呼び捨てしてるな、絶対。

「どこが？」

「A…広瀬のこと気に入りすぎっつーか、自分のモンみたいにしてるし」

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