溺愛ロジック 2

78 ページ28

ゆりちゃんside

部室から戻ると女子が何やら集まってる。

「多分次はうちのクラスだから〜」ってなんかこそこそ話してる。

ん？それ、Aちゃんの鞄じゃない？くまのキーホルダーがついてるやつ。

「何してるのぉ？」

笑顔を作って覗き込むと慌てる女子達。

すると岬さんが私の前に立ちはだかる。

睨んでくるけど気にせずニッコリする私。

「…ほら、ぶりっ子仲間の広瀬さん帰ってきたよ、行きな」

廊下を見るとAちゃん。しゃがんだみたいで見えなくなったけど。

てかさ、ぶりっ子仲間って、ネーミングセンス(笑)

少しして北山先生が入ってきた。

ああ、持ち物検査ね。忘れてた頃にやってくるやつ。

まあ今日は私何にも注意されるようなの持ってきてないし。

はあ。早く終わんないかな。

みんな席について鞄を机の上に置く。

エ○本が見つかる男子が毎回一人はいるんだよね(笑)ちょうど回し読みで今持ってる人が怒られて、後で進路指導室パターン。まあエ○本は返してもらえないけど、漫画やゲーム機は返して貰えるから怒られて終わるだけみたい。

「次、舞原。…よし、オッケイ」

次はAちゃん。

女子達がなんかニヤニヤしてる。何？何なの？

「次、広瀬。……」

ん？

振り返る私。

「広瀬、後で進路指導室。」

北山先生がサッと何かをポケットにしまった。なになに？Aちゃん何持ってたの？

北山先生が次に行ったから、Aちゃんを見ると顔が真っ青。

「Aちゃん、何持ってたの？」

「知らない…私のじゃない」

玉森くんも何か見えなかったのか不思議そうな顔。

他にもやっぱりゲーム機とかが見つかって没取されてた。

「没取された奴は放課後、俺のとこまで来いよ」

北山先生が出てった。

「あ〜、最悪だ！」って騒ぐ男子数名。

「A、大丈夫？」

俯いてるAちゃんを心配してる玉森くん。

「…うんっ、お菓子が見つかっちゃっただけ！」

無理して笑うAちゃん。

詳しく聞きたいのに授業が始まっちゃった。

後で聞かせてもらおっ。

79→←77

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す