溺愛ロジック 2

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教室に戻る途中、玉森くんが私の知らない女子と廊下で話をしていた。

「玉森くん最近付き合い悪すぎ。あの広瀬Aっていう転校生のせい？」

わ、私？！

思わず隠れてしまう。

「そんな1人の子に執着するとか、らしくないじゃん」

「…まー、執着っていうよりほっとけないっつーか？ほら、アイツなんかふわふわしてるし」

「だーかーらー、なんで男子ってそんなアホなのよ！あれは天然じゃなくて計算なんだって！」

「アイツはそんなんじゃねぇよ。頭弱いし」

玉森くんひどい(涙)

「てか藤ヶ谷先生のお気に入りなんでしょ？だから岬達に目つけられちゃってるらしいじゃん」

「藤ヶ谷な。いい歳して女子高生にちょっかいかけて気持ちわりぃわ」

「玉森くん、藤ヶ谷先生のこと好きだったじゃない」

え、そうなの？

「もー今は全く。あんな変態マジで無理」

「それもあの広瀬Aが構ってオーラ出しまくりで藤ヶ谷先生をそうさせてんだって」

私のせいで藤ヶ谷先生があんなおかしなことになってるんだ…。

「とにかく、玉森くんまであんな子といたらヤバいから。忠告しとくね。じゃあね」

「おー」

二人がそれぞれの教室に入ったのを確認してから私も教室に戻る。

玉森くんはあっという間に男子の中心に入っていた。

なんか、へこむな。

「Aちゃん、どうかした？」

「宮田くん…」

「すごい負のオーラまとってるよ(笑)」

宮田くんなら話しやすいかも。

「…私、玉森くんに迷惑かけてるよね？」

「何で？」

「だって私、嫌われてるし、一緒にいたら玉森くんも…」

言ってて悲しくなってきた。

泣きそう。

「おい、宮田。何泣かしてんだよ」

「た、玉。違うから」

「しっし、あっち行け」

「Aちゃん、大丈夫だよ。玉はAちゃんが大好きで仕方ないんだからさ♪」

玉森くんに蹴られても笑ってる宮田くんのメンタルは見習うべきだと思った。

「どしたどした、今度は誰にいじめられたんだよ」

「…玉森くん、そんなに構ってくれなくてもいいよ」

私がそう言うと玉森くんは一瞬不可解な顔をしたけどすぐ不敵な笑みを浮かべた。

「だーいじょうぶだって。俺のそばにいれば何も心配ないから。お前は俺の隣でふにゃふにゃ笑ってろ」

「ふにゃふにゃなんかしないっ！」

「んはは」

玉森くんはくしゃっと笑うと、「可愛いな〜っ」てわしゃわしゃされた。

何これ、犬扱いじゃん(涙)

でも私を見つめる優しい瞳の玉森くんにじわっと心があったかくなった。

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