溺愛ロジック 2

67 ページ17

玉森くんちに到着。

「お、おじゃまします…」

「うち共働きだからいないし」

「うちも。一緒だね」

寂しい仲間同士。

「マジで？じゃあAんちでも良かったかな」

うちには誘わないよ、玉森くん。

玉森くんの部屋のドアの前で待たされる私。

「1分待って」だって。

片付けてる音が聞こえる。

はぁ。帰りたいな。

ドアが開いて「お待たせ」って。

中に入ると割ときれいなお部屋。1分でこんなにキレイになるかな？

「どこ片付けたの？」

「男には色々事情があるんだよ」

意味不明…。

あ。

「玉森くんのお部屋は玉森くんの匂いがするね」

思わず笑ってしまう。

私のお部屋は私の匂いがするのかな。

北山先生のお部屋ってどんなだろ。

…汚そう(笑)シンクに洗い物とかたまってそうだよね(笑)

「座ったら？」

「あ、うん。」

床に座り込む。

お部屋は広いのになぜか私の隣に座る玉森くん。

「あの、なんか近くない？」

「離れて座ったら出来ないじゃん」

泣くのを？私がよしよししなきゃいけないのかな。

ワガママだし甘えん坊なんだね、玉森くんは。幼稚園児みたい。

仕方ない。今日は私がお姉ちゃんになってあげるよ。

玉森くんのセットされてるふわふわの頭をいいこいいこ。

「よしよし。大丈夫だからいっぱい甘えてね。」

「…はい？」

ん？違う？じゃあ…

「よしよし。いっぱい泣いていいからね」

出来るだけ優しく微笑んで、玉森くんの顔を覗き込むけどなんだか泣きそうにないし生意気な表情。

「あのさ、悪いけど俺甘えるタイプじゃないから。」

床に押し倒されて上に覆い被さってくる玉森くん。

思わず絶句。玉森くんってやっぱり変！

危険だ。帰ろう。

「ちょっとどいて！帰るからっ！」

「泣いていいよっていうけどさ、お前が啼けよ」

玉森くんがにやって笑った。

ヤバいヤバい。なんかわかんないけど私のこと泣かすつもりの玉森くん。

暴れてなんとかすり抜けて、荷物掴んでドアへ向かうけど、後ろから抱きしめられて捕まってしまう。

「やだやだ！怖いよ玉森くんっ」

「大丈夫だって。優しくするから」

もう今すでに優しくないんですがっ(泣)

玉森くんのほうを向かされる。

「散々焦らしてくれてありがとね、Aちゃん。燃えるわ」

玉森くんの顔が近づいてきた。

68→←66

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す