46 ページ46
玄関の外に出たけど藤ヶ谷さんの姿はなかった。
エレベーターを見ると下に向かっていた。
慌てて階段を駈け降りて、エントランスへ。でもエレベーターはすでに1階に着いていたみたいで、藤ヶ谷さんはいない。
どこ…?
外に出ると、歩いてる藤ヶ谷さんを見つけて走って追いかけた。
「藤ヶ谷さんっ!」
私の声に振り返って驚いた顔をする藤ヶ谷さん。
「Aちゃん…出てきちゃって大丈夫なの?」
「いいです、別に。あそこには居たくないし」
「自分ちなのに?」
苦笑いの藤ヶ谷さん。
「藤ヶ谷さんのそばがいい…」
「…」
黙ってしまう藤ヶ谷さんに不安になる。
「あの、」
「お散歩、しようか」
私の言葉を遮って、藤ヶ谷さんは微笑んだ。
「…はい」
歩いて近くの大きな公園へ着いた。
日曜日の夕方だからか、人はあまり居なかった。
「大きい公園に鉄棒があるのって珍しいね」
「あ、はい。ここはアスレチックっぽい感じで他にも色々あるんですよ」
「へえ、楽しいね。Aちゃんは逆上がり出来る?」
「できないです…」
小学生の頃、体育の授業で出来なくて嫌だったな。
「イメージ通りだね」
「ひどいです」
「ふ。いいじゃん、出来なくても。そういうとこも可愛いし」
鉄棒に寄りかかる藤ヶ谷さんの隣へ行く。
「…藤ヶ谷さん」
「ん?」
「前に話してた、藤ヶ谷さんが好きな子についしちゃってたこと、知りたいです」
「…ああ、あれね」
藤ヶ谷さんは私を見た。
「好きな子はやっぱり、ついいじめたくなってたよ。北山ほど酷くはなかったけど」
「それは、今も?」
「今はもう結婚してるし、さすがにいじめないよ」
クスッと笑う藤ヶ谷さんに抱きついた。
「私は…?」
「Aちゃん…」
「私にいじわる言うのは私のことが好きだから?」
「…無理矢理だね」
私をそっと引き離す藤ヶ谷さん。
「Aっ!」
遠くからみっくんの声。振り向くとこちらに向かって走ってくる。
藤ヶ谷さんは私の肩を抱いて、強引に自分のほうを向かせた。
「俺のことが、欲しい?」
「藤ヶ谷さん…」
こちらに走って来るみっくんが気になり答えられない。
「答えて、Aちゃん」
頬を両手で包まれた。
「あ…」
私は、熱い頬に添えられた冷たい藤ヶ谷さんの手に自分の手を重ねて、声を振り絞った。
「あなたが、欲しい…」
1084人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ayachoko(プロフ) - RuNaさん» RuNaさん(*^^*)コメントありがとうございます!(*≧∀≦*)溺愛ロジックを好きだと言って下さり、励みになりました(;_;)インモラルも読んで下さり嬉しいです(。>д<)これからますます暗くなっちゃいますがお付き合い下さいませf(^^;) (2017年9月2日 7時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
RuNa(プロフ) - 初めまして。溺愛ロジックを読み他の作品も読ませていただいたりしておりました。溺愛ロジックすきでした。そして、インモラルも今凄くハマっています。いつも更新されるのを楽しみに日々を過ごしています。これからの展開も楽しみです! (2017年9月2日 2時) (レス) id: 4e49bd79e0 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ましろさん» ましろさぁん( 〃▽〃)藤ヶ谷さんが藤ヶ谷先生と同じになってきちゃってます(^^;好みのせいかついつい…藤ヶ谷さんはもうちょっと人間味出したいです(笑)ガッツリイチャイチャ、私もしたいので頑張ります!(* ̄∇ ̄)ノ (2017年9月2日 1時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ゆなさん» ゆなさん(’-’*)初めまして(*≧∀≦*)溺愛ロジックの時からなんて、嬉しいです(。>д<)確かにかなり非現実的ですよね(笑)更新頑張ります!これからもよろしくお願いいたします(*^^*) (2017年9月2日 1時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - はぁぁ///たいぴがかっこいい(ウットリ)優しいだけじゃない感じがいいです(ウットリ) みったんのアセアセもドキドキするし、続き楽しみです♪ガッツリないちゃいちゃも是非希望します!← (2017年9月2日 0時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ayachoko | 作成日時:2017年8月20日 15時