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「気持ち悪い?それともお腹痛い?」
「気持ち悪くてお腹痛くて頭痛い…」
「えっ?!」
慌てる藤ヶ谷さんに笑っちゃいそうになるのを必死に堪えた。
「病院行こう」
それはちょっと困る。
チラッと藤ヶ谷さんの足下を見ると、大きなバック。
そうだ、藤ヶ谷さん、会社に戻らなきゃだよね。
「あの、もう大丈夫です。お仕事中にすみません」
申し訳なくて謝ると、「今日はもう直帰だから大丈夫。俺の心配より自分の心配しなよ」って言われた。
「この辺りだと、市大病院が近いね。歩ける?」
ヤバイ、もうこれ以上嘘はつけない。
「あの、ごめんなさい…。具合悪いの、嘘なんです」
「え?」
拍子抜けした顔の藤ヶ谷さん。
「構って欲しくて嘘つきました…」
藤ヶ谷さんは茫然とした後、隣に座った。
絶対今から怒られる…。
「あのさ、」
「は、はい…」
「どういうつもりなのか知らないけど、俺Aちゃんとどうこうなる気全くないから。無駄だよ」
「少しもぐらつきませんか?」
「うん」
「1%も?」
「うん」
「嘘」
「なんで嘘だと思うの?」
だって神様が…なんて言ったら引くよね。まぁ今でも充分引かれてるけど。
「だって、藤ヶ谷さん私のこと全然ほっとかないじゃないですか。今だって、仮病だってわかったならすぐ帰ればいいのに」
とりあえず思ったことを並べてみた。
すると藤ヶ谷さんは少し間があった後、顔を赤くした。
「え」
まさか、まさか?
「…、違うから」
口に手をあててそっぽを向く藤ヶ谷さんに愛しい気持ちが溢れる。
ダメだ、顔がにやける。
「調子にのらない」
頭を優しくポンとされた。
「あの、お客さま、ご注文されますか…?」
店員さんが遠慮気味に席にやって来た。
「あ、すみません、僕は…」
「キャラメルラテ、お願いします」
にっこり笑って私が言うとじとっと睨む藤ヶ谷さん。
店員さんが「かしこまりました」って言ってキッチンへ去っていった。
「飲み終わるまで帰れませんね」
「…Aちゃんてほんとに」
「「変な子だね」」
ハモる私達。
「ふふ、言うと思いました」
「…なんか、君といると調子狂う」
苦笑いする藤ヶ谷さん。
狂って欲しい。
私と一緒に堕ちて下さい。
そこが楽園なのか、墓場なのか、
わからないけれど。
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ayachoko(プロフ) - RuNaさん» RuNaさん(*^^*)コメントありがとうございます!(*≧∀≦*)溺愛ロジックを好きだと言って下さり、励みになりました(;_;)インモラルも読んで下さり嬉しいです(。>д<)これからますます暗くなっちゃいますがお付き合い下さいませf(^^;) (2017年9月2日 7時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
RuNa(プロフ) - 初めまして。溺愛ロジックを読み他の作品も読ませていただいたりしておりました。溺愛ロジックすきでした。そして、インモラルも今凄くハマっています。いつも更新されるのを楽しみに日々を過ごしています。これからの展開も楽しみです! (2017年9月2日 2時) (レス) id: 4e49bd79e0 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ましろさん» ましろさぁん( 〃▽〃)藤ヶ谷さんが藤ヶ谷先生と同じになってきちゃってます(^^;好みのせいかついつい…藤ヶ谷さんはもうちょっと人間味出したいです(笑)ガッツリイチャイチャ、私もしたいので頑張ります!(* ̄∇ ̄)ノ (2017年9月2日 1時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ゆなさん» ゆなさん(’-’*)初めまして(*≧∀≦*)溺愛ロジックの時からなんて、嬉しいです(。>д<)確かにかなり非現実的ですよね(笑)更新頑張ります!これからもよろしくお願いいたします(*^^*) (2017年9月2日 1時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - はぁぁ///たいぴがかっこいい(ウットリ)優しいだけじゃない感じがいいです(ウットリ) みったんのアセアセもドキドキするし、続き楽しみです♪ガッツリないちゃいちゃも是非希望します!← (2017年9月2日 0時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年8月20日 15時