『インモラル』

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あの感じだと、藤ヶ谷さんが帰ってすぐヤってるって思われたかも。

私のイメージ、最悪じゃん…。

「なんであんなこというの？」

「邪魔してくるからだろ、アイツが」

また私を床に押し倒して続きをしようとするみっくん。

藤ヶ谷さん、私に何を渡したかったんだろ…。

「上の空かよ。余裕じゃん」

ヤバイ。完全に怒ってる。

その日は優しく抱いてはもらえなくて、しかも一度も中には出してくれなかった。

肩で息をしながらぐったりしていると、みっくんが横たわっている私に顔を近づけた。

「何で中に出さないのか教えてやろうか」

冷たく笑うみっくんに嫌な予感しかしないから、涙目で首を振る。

でもみっくんは話を続けた。

「赤ちゃん出来たらこうやって好き勝手にAを抱けないからだよ」

我慢していた涙が零れた。

「それにAには俺のことだけ考えてて欲しいしな。まあ、別に子どもは嫌いじゃねぇけどまだいらないっつーか」

自分本意なみっくんに嫌気が差す。

「なら結婚しなきゃ良かったじゃない…」

「何でだよ。俺はずっとお前と一緒に居たいから結婚したんだし」

「…」

「藤ヶ谷の奥さん、すげぇ美人だったぞ」

「え…見たの？」

「写真見せてもらった。今度うちに来てもらおうぜ」

会いたくないな、なんて意味不明なことを思う私に、みっくんはニヤリと笑った。

「奥さん見ればお前も変に期待しなくてすむだろ」

「期待って…？」

「お前なんか藤ヶ谷に相手してもらえるわけないから。調子に乗んなよ」

みっくんは自分の処理を終えると私のそばにティッシュの箱を放り投げた。

…別に相手してもらえるなんて思ってないもん。

みっくんはお風呂場へ向かったから、そのまま横たわって目を閉じた。

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