溺愛ロジック F side

嵌まっていく ページ4

一緒にいると触らずにはいられない。

だめだ、この子は生徒なんだから。

別にAのことを好きだとかそういうわけじゃない。

ちょっとした暇潰しだ。そう言い聞かせる。

どうせ俺の行き過ぎた束縛に耐えられなくて離れていくんだろ？

好きになったら負けだ。

これはちょっとした実験なんだ。

決して彼女を好きにはならない。

恋焦がれる気持ちに蓋をするのは辛くて、顔が歪む。

そんな俺を見るとなぜか彼女も哀しげな顔をする。

…俺が悲しいと、Aは辛い？

それなら俺の傍にずっといてくれればいいよ。

…そうだよ。それがいい。

Aがずっと傍にいてくれるなら、俺は幸せだよ。

もう引き返せない。

俺は彼女を手に入れたいと思うようになった。

もう実験なんてどうでもよかった。

…いや、実験だと言い訳していただけで、きっと初めから俺は彼女が好きだったんだ。



そんな俺の気持ちを逆撫でするかのように、玉森とどんどん親密になるA。

玉森に近づくなとあれほど諭したのにもかかわらず、カップルシートのある漫画喫茶から玉森と出てきた。

しかも玉森は我が物顔でAの手を引っ張っている。

…その子、俺のなんだけど。

有無を言わさずにAを玉森から奪い取り、車に押し込んだ。

約束が守れない悪い子にはお仕置きが必要だよな。

どす黒い感情が沸き上がる。

もうこのまま俺のものにしてしまおうか。

理性が崩壊するギリギリのところで泣き出すA。

…可哀想に。玉森のせいだよな。アイツがいなければこんな思いしなくていいのに。

そう。邪魔者は排除しなければ。

玉森は俺の神経を逆撫でするかのように噛みついてくる。

こいつがまさかこんなにしつこいとは思わなかった。

ダメなら次っていう奴じゃなかったっけ。

Aも多分ハッキリ断ってないのかもしれないけど。

顔もよく、成績優秀、友達が多く、クラスの中心人物の玉森は無双に振る舞う。

わかるよ、その気持ちは。俺も高校生の頃は無敵だって思ってたし。

…その自信、へし折ってやるよ。

引き摺りおろしてやるから、楽しみにしてろよ。

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