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教頭から辞任の話をされた北山は、訳がわからないといったように動揺していた。
教頭は画像については話さなかった。俺がそうさせたからだ。
二人の胸の内にしまって置く利点として、教頭は学校の名誉に傷をつけられない、俺はAを学校に留まらせておけるということ。
北山が反対しようと認められなかった。
教師といっても、私立の教師は民間企業と同じで切られたらそれまでだ。
一応姉妹校に転任という形にはなったが、それも長くは雇ってはもらえないだろう。
まぁ、北山なら公立の学校を受ければどこか勤め先が決まると思う。
今回はあくまでも円満退社であり、経歴に傷をつけられたわけではないのだから。
誰にも告げずに学校を後にする北山。
最終日くらい見送ろうと思い、声をかけた。
「北山、元気でな」
「…おう」
力なく笑う北山。
お前の負けだよ。
「藤ヶ谷…」
「ん?」
「…幸せに」
「うん」
「…なれると思うな」
「え?」
「俺がいなくたって、…玉森がいなくたって、お前が広瀬と結ばれることはないんだよ」
鉛のように重くのし掛かる北山の言葉に何も言えずに立ち尽くした。
気がつくと、北山はもういなかった。
けれどそんなのは杞憂で、Aは俺に愛情を注いでくれたし、いつも傍にいてくれた。
梨華とは違い、俺の行き過ぎた束縛にも理解を示してくれる。
そして頼んでもいないのに自分から玉森との縁を切った。
俺達が付き合っているということを聞いたら玉森はもうAに全く構ってこなくなったらしい。
あんなに俺のことを疑っていたのに。
もう少し踏み込んで問い詰めればAの口から真実が聞けたかもしれないのに。
俺に言われた嘘の関係を。
…賢い奴だと思っていたのに、案外馬鹿なんだな。
それかアイツの無駄に高いプライドが邪魔して出来なかったのかもしれないけれど。
何にしてもこれでもう俺とAの邪魔をする奴はいなくなった。
安堵からか、はたまた従順なAのおかげからか、Aととても穏やかな気持ちで過ごせるようになった。
このまま彼女を大事にしていきたい。
傍にいてくれてありがとう。
俺を愛してくれてありがとう。
偽りなんかじゃない。
俺達は幸せになるんだ。
誰にも邪魔はさせない。
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ayachoko(プロフ) - *カスミソウ*さん» カスミソウさん!(;∀;)こんな暗い話にもったいないくらいの嬉しいコメントありがとうございます(;_;)一気に読むの、大変でしたよね(^^;玉森先生Ver.も近々アップします!ほんとに嬉しいです(/_;)ありがとうございます(*≧∀≦*) (2017年9月1日 7時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
*カスミソウ*(プロフ) - 溺愛ロジックすべて読みました!とっても面白くて、一気に読んでしまい気づいたら4時間ぐらいたってましたwww新作のインモラルもドキドキですし、玉森先生Ver.も気になります!更新を楽しみにしております!応援しております!頑張ってください! (2017年8月31日 22時) (レス) id: 0fb920ca18 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ましろさん» ましろさんっ( ;∀;)嬉しすぎるお言葉ありがとうございます(。>д<)私もヤンデレ藤ヶ谷くんが大好きです(笑) (2017年8月15日 20時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 素敵な藤ヶ谷さんを描いて下さって本当に有難うございます!大好きです、このたいぴ(笑) 他の作品も次回作も楽しみにしています! (2017年8月15日 16時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - ましろさん(*^^*)こんな駄作に優しいお言葉ありがとうございます(T^T)今後ドラマとかで狂った役とか藤ヶ谷くんにやって欲しいな〜(笑)好青年は興味なしです(о´∀`о) (2017年6月22日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayachoko | 作成日時:2017年5月5日 8時