溺愛ロジック F side

記憶を失った君を ページ18

学校を休んだAの見舞いを舞原に頼んだ。

親友という立場にいながらAを追い詰める舞原は俺にとって最高の駒だ。



A、早く俺に溺れたその顔を見せて。

会いたくて仕方なかった俺は見舞いという名目で広瀬家へ足を運んだ。

Aはもう、俺しかいないと思っているからか言動がおかしい。

動揺する広瀬の母親を部屋から退出させて、敢えてAを解放すると伝えると、また俺にすがるA。

最高の展開になった。

今すぐここで犯したいけどそういうわけにはいかないから、欲を抑えながら見つめているとAは意識を手放した。


…胸騒ぎがする。

広瀬の母親に意識がないことを伝え、すぐ病院へ連れていった。

目覚めないAに手が震える。

やり過ぎたか？

北山から電話があったけどとても話す気になれなかったから早々と切った。

しばらくしてAの母親が病院へ来た父親と一緒に俺のところに戻ってきた。

さっき自宅で母親がおかしくなったAを心配して連絡していたのは父親だったようだ。

軽く挨拶をして、経緯を話すと父親の顔が歪んでいく。



そして、目を覚ました愛しい彼女は、俺との日々をすべて忘れてしまっていた。

自分から求めてくれたことも。



イジメが原因だと思った母親は学校をやめさせたほうがいいと言い出した。

それはマズイ。会うことすら難しくなってしまう。

俺は自分の管理不届きを謝罪し、そしてAをどうしてもまた学校に通わせたいと懇願した。

俺にすがりついていたAを見ていた母親は涙を浮かべて承諾した。

もともとうちの学校の評判にひかれて引っ越しを機に変な時期に転入させた母親だから、編入試験でギリギリ入れたうちの学校をやめさせたくないだけなのかもしれないけれど。

父親も「何かあったからといって辛いことから逃げるというような子になってほしくない」と言い、もう一度通わせたい、逃げずに前向きに頑張ってほしいと言い放った。

可哀想なA。

もう充分頑張ってきたのに「逃げるな」だってさ。

いばらの道に戻される彼女。



また一からのやり直しになってしまったけど。

大丈夫。

俺は必ずまた君を手に入れるから。

今度は確実に。

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