溺愛ロジック F side

泡のように消えた想い ページ17

流されやすい彼女は、やはり俺を受け入れ、そして身体に染み込ませた快楽に抗えず、迫る俺を拒否するどころか求め始めた。

玉森はそんなAをみて、失望した表情を浮かべると準備室から出ていった。

出来のいい生徒をもって嬉しいよ、俺は。

Aを突き放した玉森に100点満点をやりたい気分だ。

これでさすがに玉森もAのこと諦めるだろ。

Aを見るとショックだったのか座り込んでしまっている。

休んでる暇なんてないよ。

早く俺のこと満足させて。

ずっとAに触れるのを我慢してたからもう限界だ。

酷くしないで、と哀願するA。

煽ってんの？

可愛い、可愛いA。

ひとつになって、このまま溶けてしまいたい。

誰も邪魔できないように。

旅行まであともう少し。

漸くAが俺だけのものになる日がくる。




玉森にも舞原にも見捨てられ、一人ぼっちのA。

北山もどこか上の空だし、彼女はもう壊れる寸前だ。

色のない瞳に、覇気のない表情。

すべてを諦めきってしまったAはすごく綺麗で、ショーケースに入れて飾っておきたい気持ちになる。





「広瀬が熱で倒れた」

北山にそう聞かされた。

コイツ、いつの間にAと…。

しかも二人は誰かに閉じ込められていたらしい。

ふざけんなよ。

余計なことを。

北山はAを慰めたりしたんだろうか。

意外にもAを気にかけていた北山に苛立つ。

これじゃ台無しだ。



広瀬の母親に連絡してから、保健室で眠るAの頭を撫でた。

しばらくして広瀬の母親が迎えに来た。

案の定、取り乱している。

北山がフォローを入れるもあまり母親の耳には届いていないようだ。

車を取りに行くと北山に伝えて保健室を出ようとすると、俺に「行かないで」と言うA。

…堕ちた。

散々植え付けてきたマインドコントロールのおかげで、Aはもう俺しかいないと思うようになった。

全身が歓喜に震える。

…落ち着け。今はまだ駄目だ。

めちゃくちゃに抱いてしまいたい気持ちを抑え、A達を見送った。

北山にAと何かあったのか聞かれた。

もう手遅れだよ、北山。

笑ってしまいそうで北山に背を向けた。




これですべてが思い通り、のはずだった。



漸く愛しい君を手に入れたと思ったのに―――

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