たった一度の恋。2 (ページ6)

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「廉くん、起きて」

「んぅ‥もうちょい‥」

ある土曜日の朝、

Aさんの聞こえる声は遠いし

重い瞼はなかなか開こうとしない。

土日休みのAさんちに昨日から泊まらせて

もらったのはいいけど俺は今日授業がある。

だるい、果てしなくだるい。

もう一層の事寝過ごしてしなかったことにしたい。

「あぶな！」

Aさんの悲鳴にも聞こえる声に

飛び起きると、どうやら転びそうになったらしい。

なんやねん、可愛いな。

「お昼ご飯作って待ってるから、頑張りなよ」

起きた俺に嬉しそうにこう言った

この言葉で眠気眼を擦って大学に来た。

「お二人さん、大学祭4人で一緒に居ない？どう？」

大学校内にあるカフェでジンと暇潰ししていると、

現れたツムギが唐突な問い掛けをしながら

ジンを俺の隣に座らせて、向かい側にモナと座った。

文化祭まであと１ヶ月くらいあるのに気ぃ早いな。

「まあ俺はいいけど廉は彼女さん誘わないの？」

ジンの言葉にツムギが大きく息を吸うのを見た。

「え！廉、彼女いるの！？」

別に隠そうと思ってはないけどみんなサラッと言い過ぎやって。