五条せんせぇの呪力うんま〜 〘呪術廻戦〙

イルミネーションツリー ページ45

「あ、とーじ！ゴリラのイルミネーションあるで、



ちょっと並んでみてや、おんなじポーズ取って、」



「とらねえよ、おい、ハム太郎こそ、



あそこにリスのイルミネーションがあるぞ、


まん丸な顔がお前とそっくりじゃねえか、」




「ぷくう〜〜、とーじの方が似とるよな、ゴリラに、


なあ２人共？？」




「いやハム太郎の方が似てるよな、なあ？」





こてつと甚爾の言い合いに、



後ろを歩く勅使河原と直哉が笑う。





「ほらほらお二人さん、そろそろトンネルを抜けますよ、」




「あ、あれがイルミネーションツリーやな？」





「え？わあほんとや！」





トンネルを抜けた先には、



大きなイルミネーションツリーがあった。




人だかりの中、４人もツリーに近付く。







「綺麗やなあ・・・」




「ああ、見事なもんだな、綺麗だ」




こてつは、自分の言葉に頷きながら応える甚爾の顔を見上げる。




イルミネーションツリーを見上げる、甚爾の顔は、



柔らかく微笑んでいる。




(・・・・・表情柔らかくなったなあ、)





出会った頃の甚爾は、今みたいに、



こてつが、何かを綺麗だと褒めても、興味無さげだったり、


こんなふうに何かに感動して笑ったりすることは、


少なかった気がする。







琥鉄が、あれやこれやと、直哉のことも巻き込み、



甚爾と、皆んなで色んなところに行き、



いっぱい遊んだり見たり食べたり、



時に馬鹿をやって、沢山笑って行く中で、





甚爾はいつの間にか、こんなに表情が柔らかくなった。










「・・・・・・」




琥鉄は、ポケットに入っている、



人魚さんから貰った桜貝のお守りを、ギュッと握った。








(・・・・・夏の時は、




・・・今の、このままの関係でもええ、



・・・なんて、思ってたんやけど、)







少しずつ、年頃の女の子になりつつある琥鉄は、



周りの子達のように、ちょっぴり、



異性を意識し始める年になってきている。







初めて出会った時よりも、少しだけ、



オシャレするようになったりと、




いつもは色々奇想天外な行動を取る琥鉄も、




密かに努力をしていた。









握っている甚爾の手を、プラプラと、揺らす。





自分よりもずっと大きい、硬い手。






「どうした、ハム太郎、」




甚爾が、微笑みこてつを見下ろす。







自分よりもずっと高い背、大きな体。



　
こてつは、甚爾を見上げる。

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