五条せんせぇの呪力うんま〜 〘呪術廻戦〙

洞窟探索 ページ28

「た、助けて！」





「！！」


甚爾と琥鉄の耳に、確かにそう声が届いた。




どうやらフィジカルギフテッドにより、



身体能力や五感が常人より極めて優れている２人にしか、


聞こえなかったようだ。





「とーじ、今・・・助けてって」



「ああ、あっちの方から声が聞こえた。」



「え、どうしたんすか２人共」



「今誰かが助けを求める声が聞こえたんや、てっしー、


多分、あの洞窟の方から」




「え？私らは聞こえませんでしたが・・そっか、


お二人は耳が良いんでしたなぁ、」




「様子見に行こか、水難事故か何かかもしれん、」




琥鉄がそう言い、４人と狐呪霊は洞窟へ向かった。




「・・・・・・」



その４人の後ろ姿を、海の家の店主が、じーっと見つめていた。



















洞窟に着くと、



❴水難事故多発中、注意！！❵と、注意喚起の看板が立っているのが目立つ。






「人の気配があまり感じられないな、ハム太郎、どうだ？」




「ウチもや、とーじとウチで感じられんなら、



もう海に落ちてもうたんやろか・・コンちゃん、探してくれる？」




狐の呪霊ことコンちゃんに琥鉄が頼むと、コンちゃんが頷き、


ふわ〜〜っと飛んで行った。




洞窟自体は広くて大きいが、見晴らしは良い。



海に落ちる以外、行方不明になるようなところではない。




「万が一、呪霊絡みな可能性も考えて、


４人で行動するぞ。一人になるな、」




甚爾がそう言い、４人は洞窟内を歩いていく。






ピチャン．．．ピチャン、





水滴が落ちる音が響く。





「足元滑りますから、お嬢気をつけてくださいね、」




「あいよ、てっしー、」





こてつの見守り役の勅使河原は、こてつを気にかける。




「人魚伝説・・の、祠は、この先みたいや」




❴人魚が月を眺めるために来ていた洞窟は、この先❵と、


看板が立っている。






満月の日だから、潮が大分足元まで迫ってきている。




「❴人魚と男が逢瀬をかわしていた砂浜❵って書いてあるで、」




「砂浜に、祠と、ハートが彫られた岩の足場があるな、

アレが海の家のおんちゃんが言うてた、恋愛成就のスポットやな、」





「人魚は、ここから満月を見ていたんやな・・」




こてつは、祠の前に立ち、海の方に顔を向け、



空を見つめた。




洞窟の外には、太陽の光に照らされた水面がキラキラと輝いている。






　

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