五条せんせぇの呪力うんま〜 〘呪術廻戦〙

育毛剤と夏夜の花火 ページ20

「あはは！今の花火、ミッキーマウスみたいや！」



「これはイッツ・ア・スモールワールドを歌わなアカンな、

よ〜し、テレレ、テレレレ・・・」




「耳元で歌うなこのハム太郎が、気が散る(笑)」



「あたっ、お尻叩かんといてや〜〜〜、」









「・・・・・・・」





やいのやいのとじゃれ合う琥鉄と甚爾に、





直哉がなんとも言えない、


どこかハラハラしたような顔を向けていた。





夜の人混みの中では、花火が上がった時に、


隣にいる琥鉄の従者に、何となくその表情が見えるだけだが。




「どうかしましたか？直哉お坊ちゃん」




「え！いや、な、何でもあらへんよ、」



ドキッと驚いた直哉は、すぐさま前を向いた。









「はは、今のハムスターみてえな花火だったな、


もごもご食いもんパンパンに口に詰め込んでるお前、


にそっくりじゃねえか、ハム太郎」



「ぬぬ、じゃあ・・・あ、あれは、


ゴリラみたいやから、甚爾ソックリやな、」




「いやアレは花火じゃなくて公園の遊具のゴリラだし、


まんまゴリラじゃねえか」



「ぬはははは、甚爾突っ込みうまくなったなあ、


ウチが鍛えただけあるわあ、」



琥鉄がペシペシと甚爾の頭を叩く。


「いつお前に鍛えられたんだよwwそして叩くな、」



「は、これは・・こないだテレビで見たアレをやるチャンス、

せーの、正解は、越後製菓！ピンポン！」



「いで、やったなこの！お前、あんま頭皮を叩くな、」



「安心してや、万が一甚爾がハゲても、

ウチが❴〜〜琥鉄ちゃんの愉快な呪霊フレンズ〜〜❵と開発した、

育毛剤の実験体第１号にしたるから、


だから安心して、ハ・ゲ・テえ〜や♡ｷｬﾙﾝ」




「ハゲてとか言うんじゃねえ、

やらねえかんなオイ、そんな怪しい育毛剤の第１号なんぞ、」



「安心して、この育毛剤は、

ハゲを恐れる数多のおじじ達の思いから生まれた呪霊と協力して、

ちゃんと既製品と比較検討し生まれた、信頼性のある・・・琥鉄印の」




「んな桃太郎印のきびだんごみたいな言われてもやらん、


おら黙って花火見ろ、」


「あぎゃ、ぷうう〜〜」




新開発した怪しい育毛剤を、

何が何でも甚爾に勧めたがる琥鉄の顔を掴み、

甚爾が前を向かせた。



甚爾は呆れ笑いをした。








甚爾は、


ふと、今、こうして花火を見ている夏夜の一時を、


琥鉄との時間、皆んなとの時間を、



ずっと忘れないだろうな、なんて思った。

貴女が一番好き→←お礼でっす！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す