拾陸 ページ16
錆兎side
俺達はあの不思議な少女に会わないまま7日目の夜、そして俺の最期であろう瞬間を迎えてしまった。
鱗滝さんに恨みを持ってる鬼が目の前にいる。そして鱗滝さんの弟子を何人も喰った醜い鬼だ。
「鱗滝が殺したようなものだ!」
その一言で俺は怒りに満ちていった。
俺はこいつを殺す事しか頭の中に無かった。
今思えば馬鹿だと思う。
刀は刃こぼれがしていたし、体力もほとんどなかった。
でも男なら進むしかない。ここで引下がるわけには行かない。
勢いをつけて飛びかかろうとした時、どこかで聞いたことある声が飛んできた。
『なにをしてるの!!』
「!?ここは危ない!逃げろ!」
『あなたこそあぶない!』
「俺は鱗滝さんの仇を打つ!」
少女の制止の声を聞かずにこの醜い鬼の首を目掛けて飛んだ。
しかし刃は鬼の首に当たったと同時に折れてしまった。
嗚呼…俺、ここで死ぬんだ。
瞬時にそう悟った。
鱗滝さん。ごめん。
____水の呼吸 玖ノ型 水流飛沫・乱
「!?」
気づけば俺は少女に抱き抱えられていた。
どうやら助けられたようだ。情けない。
この少女のことはこの7日間最終選別を受けているほかの人たちによく聞いていた。
でも呼吸を使ったとこは見た事がないと聞いていたから
てっきり呼吸を使えないものだと思っていた。
『はぁ…はぁ…にげるよ!』
俺を下ろすとそう言って俺の手を掴んで走り出そうとする。
でもここで逃げてはダメだ。
この鬼をこのまま放っておいたら…。
「俺は男だから進むしかないんだ!仇を打つまでここから動かない!君は逃げていろ!!そして鬼!!!お前は俺が必ず殺す!!鱗滝さんの悪口を言う者は決してゆるさない!!」
怒鳴るように両者に言う。そうすればこの少女も諦めて逃げてくれるだろうと。
しかし違った。
彼女は俺を投げ飛ばし怒りを露にし、俺に向き合った。
『冷静になってよ大馬鹿者!!!!
最終選別始まる前にちゃんと言ったよね!?
他人の心配する前に自分の心配しろって!!
その折れた刀でどうやって仇を打つつもり!?
折れてない状態で切れなかったんだから折れた状態で切れるわけないでしょ!?
錆兎が死んだらみんな悲しむんだよ!?どうしてそれが分からないの?!友達なんて3日間寝込んだんだから!!!
大体錆兎が死んだら仇もくそもないでしょ!!逆に鱗滝さん悲しませようとしてどうすんのよばか!!!』
「……っ危ない!!」
785人がお気に入り
「鬼滅の刃」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
虹心(プロフ) - コメント失礼します!とっても面白いこの小説が大好きです!続き楽しみにしてます! (2月5日 15時) (レス) id: 62f09173e9 (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - ツバキさん» コメントありがとうございます!更新おまたせしました、全然完結じゃないです!😹亀更新ですがこれからもよろしくお願いします😚 (1月17日 17時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - lokilokiさん» コメントありがとうございます!プレイリストがなにか存じ上げませんがありがとうございます笑。今後ともよろしくです🫶 (1月17日 17時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました!!さいこうです!連載状況が完結となっていますが、これで完結なのでしょうか?個人的には続きが気になるので更新楽しみにしてます! (12月31日 17時) (レス) @page13 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 20時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほかほかごはん | 作成日時:2023年3月17日 0時