【ミトラスフィア】Whiteelegy・irony【アイネス】 (ページ3)

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2 ～碧色少女は戸惑う～ページ3

小さい頃から、誰も私なんて見てなかった。
皆立派に魔法を使えていたのに、私はいつまでも星しか作れない。

その割には図書館に通いつめて本を漁る。なのに全くできない。いつしか私は皆の目から消えてしまった。

いっそのこと、儚く綺麗に星に溶け込めたなら_______________

「……お前」

例えば、自分は此処にいないのではないかと思っている私が、人に話しかけられたら。

その人が、すごく美形であれば。

私の場合……

「……………………」

無視……いや、「人違いだろう」と片付けてしまう。
というか、絶対私に話しかける訳がない。そんな事あったら今まで人生様々な方向に拗らせて生きていないだろう。

…………そう、肩を叩かれるまでは。

「……無視するなよ」
まるで拗ねているような表情なのに冷たい彼の瞳は、まるで血を垂らしたかのような紅に染まっていた

髪こそ同じ白銀だが、目の色のみ全く違う。
相対的で似た者同士…………何処かで見た言葉がちらりと脳内をかすってゆく。

「……え、と。その…………何か………」

静かな空間に、私の高い声が嫌に響き空気を震わせる
深紅の瞳を持った少年は私を品定めするように見つめた後、口をゆっくりと開いた

「……お前、その紙……何処で見つけた？」
「………はい？」

一瞬、何を言っているのか分からず混乱した。
しかし、自分の見ていた紙を一枚取り、こちらに見せびらかすようにペラペラと音をたてながら見せてくる。

…………アイネス。そこには深紅の瞳に白銀の髪を持つ美しい少年……まさしく今私に話しかけてきている、彼の事であった。

「へっ………？え、あ、えっと………」
この場合、なんと言えば？

私はストーカーではないです、それはたまたま見つけたんです。………絶対に信じて貰えないだろ、それ。

逮捕されるのかな、と少し考えてから後に彼の言葉を思い出した。

『……その紙……何処で見つけた？……』

「……あ」

彼は、私の事を聴いてるんじゃなくて……

……紙の事を聴いているのね。