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鬼が三匹 ページ4

それからの生活は酷いものだった



焼かれ、串刺しにされ…

それでも死なない私達を敵意に満ちた目で見る人間達



死なない、死ねない



地獄のような日々



いっそ殺してくれと何度嘆いたことか



でもそんな生活でもただ1つ楽しいことがあった



あの家にいる限り絶対に出来ないこと、

それは…




「夜兎?」



「そう!傭兵部族夜兎!小さい頃お母さんに聞いたんだ!」



おしゃべりだ



「ふーん」



前と比べ少し相づちを打ってくれる頻度が高くなった



やはり母上から聞いた人と仲良くなるにはおしゃべりが一番とはほんとのことらしい



「その夜兎っていう種族の故郷でね!江華って人に会ったんだって!」



「それでその人がね……」



そこまでいうと何故か次の言葉が出てこなかった



たまにあるのだ。母上から聞いたことの一部が何故か頭から抜けていることが



「どうした?」



さっきまで話していたのに急に黙りこくった私を見て男の子が心配してくれた



「あ、えと…なんて言おうとしたか忘れちゃった」



えへと軽く舌を見せるとはぁ…とため息をつかれた



でもなんでだろう



すごく、すごくすごく大事なことを忘れてしまっている気がする



「ねえ」



そういうと男の子は顔を上げた




「私、悪い子?」



そういうとその子は少し驚いた顔をした



「急にどうした」



「・・・」



「いい人だと思う」



少しぶっきらぼうにその子はそう答える



「ほんと?!」



「うるさいけど」



「それはあ、あんまりじゃない・・・?」

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作者名:ヘアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/  
作成日時:2019年2月22日 21時

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