↑49話↓ ページ9
→Aside←
紫さんが長方形の和紙の紙袋から取り出したものは白をベースに淡い桃色の桜の花びらが所々散りばめられているとても綺麗な浴衣だった。
A「あっ!浴衣!!」
紫「ふふふ…恭弥坊ちゃんが食後に廊下で貴女にこれを渡してあげてって言ってねぇ…。」
恭弥が…あたしに…?
雲雀『…また僕の事見てる…また何か気になる事でもあった?』
A『…あ!いや、ただ…浴衣…初めて見たな…って思っただけだ。』
あ…恭弥…あんな些細な事覚えていたのか…。
紫「真っ白で綺麗な浴衣でしょう?きっとAさんにとてもよく似合うわぁ。」
A「え!?あたしが使っても良いんですか!?」
紫「えぇ、その方が恭弥坊ちゃんも喜ぶわぁ。」
あたしが浴衣を着たら…恭弥が喜ぶ…?
A「あはは!そんな事無いですよ〜!」
紫さんが言った事をあたしは笑って否定した。
紫「あらぁ?どうしてそう思うの?」
紫さんは優しそうに微笑みながらあたしに問うた。
A「…恭弥は表現するのが不器用なだけで実際、優しい心の持ち主ですから…だからきっと浴衣に興味を持ったあたしに優しくしてくれている…ただそれだけだと思います。」
あたしは思ったことをそのまま軽く微笑むようにして返す。
紫「ふふふ…Aさんは恭弥坊ちゃんの事をよく理解してくれているのねぇ、嬉しいわ〜。…でもねぇ、私はきっとそれだけじゃあないと思うの。…実はその浴衣なのだけれど…昔、恭弥坊ちゃんが一目見て気に入って買ったものなの。」
え…恭弥が…?
紫さんは相も変わらず優しく微笑みながら言葉を紡いでいく。
紫「でも、恭弥坊ちゃんはその浴衣を自分が着るのではなく、眺めるだけだったの。自分が着る為に買ったんじゃない、でも綺麗だから手元に収めたいってねぇ。」
A「え!?そ、そんな大切にしていたものをあたしに…?」
紫「ええ。そうよ〜。それに、恭弥坊ちゃんは言ったの…。その浴衣は―――」
―――――カタンッ…
雲雀「紫さん、それ以上は話さないでくれる?」
紫「あらあら、もう少しAさんとお話がしたかったのだけれど残念ねぇ…。」
カタンッと入口の戸が開く音がしてそちらを見ると恭弥が少しだけ不機嫌な顔をしてこちらを見ていた。
そんな恭弥に紫さんは先程と変わらず優しく微笑んでいたのだった。
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黒ウサギ@リボーン再燃焼☆(プロフ) - 大福さん» 閲覧やコメントありがとうございます!一番好きだなんてとても嬉しいです!とても励みになります!これからも頑張らせていただきますのでよろしくお願いします!(*´∀`)/ (2017年4月7日 9時) (レス) id: 64106614c5 (このIDを非表示/違反報告)
大福 - めっちゃ良いところやん!!この小説一番好きです!!これからも頑張ってください!!(^^) (2017年4月7日 2時) (レス) id: a4cb61a9a8 (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ@リボーン再燃焼☆(プロフ) - 悠さん» 閲覧やコメントありがとうございます!喜んでいただけて光栄です!そう言っていただけると励みになります!これからも頑張りますのでよろしくお願いします!o(*゚▽゚*)o (2017年4月3日 20時) (レス) id: 64106614c5 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - とっても面白いです!!これからも頑張って下さい! (2017年4月3日 20時) (レス) id: 49ea3e4c7f (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ@リボーン再燃焼☆(プロフ) - 闇の道化師さん» 閲覧やコメントありがとうございます!楽しんでもらえて私も嬉しいです!応援、励みになります!これからも頑張りますのでよかったらまた見て下さいね!(^o^)/ (2017年4月3日 13時) (レス) id: 017ad6c40f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒ウサギ@リボーン再燃焼☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kurousagi/
作成日時:2015年9月12日 12時