↑55話↓ ページ16
→雲雀side←
浴衣なんて毎年夏に行われる地区の夏祭りで活動費の集金をしている時に見慣れていたし、別段気にした事すらなかった。
…ただこの浴衣は僕の大事な浴衣だから気になっただけ…。ただぞれだけの事だ。
―――――
お風呂から上がって縁側で本を読んでいると廊下の方から足音が聞こえた。
普段なら気にも留めないが、いつもとは違う足音という事に気付いて思わず僕は栞を挟むのも忘れて本を閉じて立ち上がる。
そして廊下に出ると今度はいつも聞き慣れている静かな足音が聞こえてくる。
紫「あら、恭弥坊ちゃん、Aさんはご覧になったかしら?」
雲雀「いや、見てないよ。」
紫「ふふふ…本当にとても綺麗なお嬢さんねぇ、着付けていて思わず見とれてしまったもの。まるでAさんの為に作られた浴衣じゃないかと思う程にねぇ。」
雲雀「そう…。」
紫「あぁ、そうそう、Aさんは私室に戻られたみたいだから気になるのなら行っておあげなさいな。」
雲雀「…別に気になってない。」
紫「全く…素直じゃない子ねぇ、ふふふ。…それじゃあ、私はこれで失礼しようかねぇ。」
紫さんは、おやすみなさい。と言い残して自分の部屋に戻っていった。
雲雀「…おやすみ。」
…僕は僕の大事な浴衣がどんな感じか気になったからそれを見に行くだけ、ただそれだけの事。
そんな事を思っている間に僕はAのいる部屋に足を運んでいた。
―――――
A「…良いけど、笑ったりするなよ?…正直、浴衣が綺麗過ぎてあたしと釣り合わなくてバランス悪く見えるかもしれないけど、それでも良いのなら…いいぞ。」
雲雀「…入るよ。」
僕はAに部屋に入る事を告げて障子を開ける。
A「…ど、どうだ?おかしくないか?それとも変、か…?」
純白の浴衣に下ろした漆黒が映える長い艶やかな髪、お風呂上りで淡く火照った桃色の頬が浴衣の桜と同じ色をしている。
…バランスが悪いって?A…本気でそんな事を言っているの?
A「…な、何か言ってくれよ…おかしいなら変だって言ってくれても良いからさ…。」
そう言ってAは僕から視線を逸らす。
…気に入らないな。
雲雀「A、目…逸らさないで、僕を見て。」
A「へ…?」
普段絶対に言わない事を今日、僕は何度口にしただろうか。
そんな事を思いながら目の前のAの顔を見ると、呆けた顔をしたかと思ったら困惑した顔、納得したような顔、コロコロと表情を変えていた。
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黒ウサギ@リボーン再燃焼☆(プロフ) - 大福さん» 閲覧やコメントありがとうございます!一番好きだなんてとても嬉しいです!とても励みになります!これからも頑張らせていただきますのでよろしくお願いします!(*´∀`)/ (2017年4月7日 9時) (レス) id: 64106614c5 (このIDを非表示/違反報告)
大福 - めっちゃ良いところやん!!この小説一番好きです!!これからも頑張ってください!!(^^) (2017年4月7日 2時) (レス) id: a4cb61a9a8 (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ@リボーン再燃焼☆(プロフ) - 悠さん» 閲覧やコメントありがとうございます!喜んでいただけて光栄です!そう言っていただけると励みになります!これからも頑張りますのでよろしくお願いします!o(*゚▽゚*)o (2017年4月3日 20時) (レス) id: 64106614c5 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - とっても面白いです!!これからも頑張って下さい! (2017年4月3日 20時) (レス) id: 49ea3e4c7f (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ@リボーン再燃焼☆(プロフ) - 闇の道化師さん» 閲覧やコメントありがとうございます!楽しんでもらえて私も嬉しいです!応援、励みになります!これからも頑張りますのでよかったらまた見て下さいね!(^o^)/ (2017年4月3日 13時) (レス) id: 017ad6c40f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒ウサギ@リボーン再燃焼☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kurousagi/
作成日時:2015年9月12日 12時