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「、たちかーさん、おはよーございます」
「お、起きたか?」
緊急脱出用のベッドで寝ていたはずのAがもそもと目を擦りながら現れた。咳を何回かしているが朝見たときよりもまだマシに見える。
「もちのにおい、したから」
「食う?」
「いらないです」
あまりの即答具合にこりゃ明日くらいには治りそうだと変な確信が出てきた。この元気さだったら大丈夫だろ。
とりあえず1回熱測っておけと体温計を渡す。大人しくソファーに座って測り始めるAの頭を雑に撫でればふるふると頭を振られた。
ぴぴ、測定終了の音が鳴る。それとほぼ同時に門発生のアナウンスが鳴った。
「任務中の部隊はオペレーターの指示に従って展開!トリオン兵を撃滅せよ!!1匹たりとも警戒区域から出すな!!」
「非番の正隊員に緊急招集を掛けろ!全戦力で迎撃に当たる!!」
ポケットに入れたトリガーをすぐに取り出しトリオン体に換装する。Aはこのまま待機してろ、そう言おうと思った矢先、
「へへ。太刀川さん、仕事ですって。やったあ」
視界の端で隊服である黒色のロングコートが揺れる。アナウンスとほぼ同時に換装していたらしい。……お前なあ。
「後で出水に叱られても知らねえぞ」
「だいじょーぶです。そのときはそのときです」
それじゃ先に行きますね。俺からも逃げるように隊室を出て行くA。俺もせっつかれる前に行くとするか。
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む(プロフ) - 大好きです! (2022年10月14日 6時) (レス) @page18 id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2022年2月10日 16時