竹谷モップ髪() ページ10
__________ゴトッ。
天井が開いて、ひょこっと
見慣れたボサボサ頭と顔がこちらを覗いた。
「おほー…あ、あはは……ごめんな、また毒虫が逃げ出して…探してただけなんだ」
『……は、八左ヱ門…っ!!?』
そこにいたのは五年同級生の竹谷八左ヱ門。
彼は困ったように眉を下げて笑いながら
ほら、と片手に持っていた虫網を見せてきた。
『なっ…お、驚いたじゃん!!?やめてよもう!!』
私は構えを辞めて思わず八左ヱ門に軽く怒鳴ってしまい、彼は体をビク、と跳ねさせ申し訳なさそうに俯いた。
痛んだボサボサの髪を揺らしてシュタ、とゆっくり地面へと降りてくるとしゅんとしたまま話し始めた。
「うぅ、すまん…本当に、虫を探してたらここを通っただけで、故意では無かったんだよ…」
『うわ、、また虫逃したの??好きだねえ…』
「逃がすのが好きなわけじゃないんだぁぁーッ!!」
わぁああっと頭を抱える八左ヱ門。
涙目の彼に『ごめんねって、少し言い過ぎたよ』と謝ると「いや、俺が悪いから…」と返された。素直か。
『……ところで、同じ生物委員会の…伊賀崎は?』
「あー…、ほら。もう夜遅いだろ?後輩にわざわざ起こして探させるのは気が引けてさ。
それに、俺は委員長代理だから責任を持って探さないと。」
キリッと眉を上げて胸を叩く八左ヱ門。
またあのボサボサ髪を揺らして得意気に笑ってみせた。
そういや八左ヱ門…兼生物委員会は、“生き物飼ったら最後まで”がモットーなんだっけ。
いやぁかっこいい、尊敬しちゃうなぁ(適当な持ち上げ)
私は眉を顰めてそんな八左ヱ門に話しかける。
『でも、、さすがに夜間、暗い中一人で探すのは大変じゃ…』
「あははっ、心配しなくても大丈夫だぞ。寝るところに邪魔して悪かったな!すまなかった。それじゃ、俺はこれで」
ニカッ、といつものあの明るい笑顔を私に向けてまた天井裏へ行こうとくるりと私に背を向ける八左ヱ門。
……なんだか、その背中を引き止めたくなった。
『…待てこら』
「ッうおっ…!!?」
その装束の袖をグイッ、と引っ張って引き留める。
そして、不思議そうにぽかんと私を見つめる八左ヱ門にこう言い放った。
『……私も虫、探すの手伝うわ』
「……えっ」
ぎょっ、と八左ヱ門の目が見開かれた
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スイちゃんのご友人です! - 更新待機 面白かったです三c⌒っ.ω.)っ シューッ (2023年2月6日 12時) (レス) @page40 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - てか作者さん!! 愛され最高✨ 天才です!! 友達と今日遊んでその時にこれオススメしてハマってましたwww これからも無理の無い範囲で頑張ってください (2022年3月12日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
杏。(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです〜!続き頑張りますね!! (2022年3月12日 13時) (レス) id: fabe2279e9 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 今回も最高です!!✨ 続きまってますね (2022年3月12日 12時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
杏。(プロフ) - あいさん» うわぁぁあ初コメありがとうございます!!!そう言って頂けて嬉しいです…!!夢主ちゃんがずっと不憫…いつか報われるといいですね(笑) (2022年3月4日 19時) (レス) @page40 id: fabe2279e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏。 | 作成日時:2021年8月17日 12時