レッツふて寝 ページ5
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____自室に帰ってきて、もう夕飯の時間になった。と思う。
『(……飯かぁ………)』
布団に包まりながらぼんやりと天井を眺める。
長屋の廊下から人の声や足音が多くなっていくし、そろそろお腹だって空いてきたし。でもなぁ…食堂行きたくないな…。
私はついさっき小松田さんの前で泣き喚いた後も、いまだにあの事を引きずっている。
失恋とは複雑なものである。
気分が高くなるわけでも低くなるわけでもない。
そこに広がるのはただただ広がる虚無感。今の自分ほど冷静な人間はいないんじゃないかと疑う程だ。
忘れたい記憶に限って脳にこびり付いて離れない。
あーもう何も考えたくないと思いながら私はほぼ鬱状態で自室の布団にずっと包まっていた。
ひく、と喉が引きつって少し声が掠れる喉からぼそり、と独り言を呟いた。
『てか私もう14だぜ…?人前で号泣なんざする年じゃないじゃん……無理…』
ああ、目が腫れぼったい。ここまで泣いたのもここ数年なかなか無いし…
当時はなんとも思わなかったが、後々冷静になって思い返してみると色々とくるものがある。主に羞恥心。恥ずか死にそう。
はぁ…、と重い溜め息を一つ吐いて再び何もない天井を見つめる。そしてまた、夕飯かぁ…とぼんやり考えた。
『お腹はすいたけど…飯、作るのめんどいし、、今日は夕飯抜いちゃっていいか。別にいーよね今日一食くらい抜いたって…。うん。。』
忍術学園は、朝,昼は食堂のおばちゃんが食事を作っているのだが、夜は生徒各自でそれぞれ夕飯を作らなければならない。なんでも、これも忍者としての修行の一つなんだとか。
しかし、今だけは夕飯を作る気にも食べる気にもなれない。
お腹は確かに空いているがそんな気力なんぞ何処にも無かった。
『はーぁ…もういいや、寝てやる。』
なんだか何もかも面倒くさくなった私は考えるのを放棄して更に布団に潜って枕に顔を埋めた。もう疲れた。何も考えたくない…
ふて寝してやる。
おやすみ世界、、と目を瞑った時。
廊下の奥から聞き慣れた低い声が聞こえてきた。
「………おーいAーっ!!いるー?」
『……チィッ…邪魔が入った…()』
_______あー、
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スイちゃんのご友人です! - 更新待機 面白かったです三c⌒っ.ω.)っ シューッ (2023年2月6日 12時) (レス) @page40 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - てか作者さん!! 愛され最高✨ 天才です!! 友達と今日遊んでその時にこれオススメしてハマってましたwww これからも無理の無い範囲で頑張ってください (2022年3月12日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
杏。(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです〜!続き頑張りますね!! (2022年3月12日 13時) (レス) id: fabe2279e9 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 今回も最高です!!✨ 続きまってますね (2022年3月12日 12時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
杏。(プロフ) - あいさん» うわぁぁあ初コメありがとうございます!!!そう言って頂けて嬉しいです…!!夢主ちゃんがずっと不憫…いつか報われるといいですね(笑) (2022年3月4日 19時) (レス) @page40 id: fabe2279e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏。 | 作成日時:2021年8月17日 12時