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「..........ありがと。」
夏実は俺からコーヒーを受け取ると
両手でカップを包むようにして温まった。
「相当寒かったろ.....外。」
「死ぬかと思っちゃった.....(笑)」
「........今もすっげー降ってんぞ。」
カーテンの端から窓を眺めると
絶えず降ってくる雪が見えて
それだけで気が滅入る。
「..........もう少ししたら、
マネージャーに来てもらうから。
今、後輩の送迎してるハズ。」
スマホに何か打ち込んだ夏実は
それをテーブルの上に置いた。
「別に俺も予定ないし
気にしないでゆっくりしてけよ(笑)」
久々の再会で
テンションが上がった俺は
簡単にそんな事を口走った。
こんな大雪の日に
どうせ来客もない。
だったら一晩
思い出話に花を咲かせても
悪くはないかな。
単純にそう思っていた。
「..........ありがとう.....」
そう言った夏実の目が
少しだけうるんでいたのを
俺は見逃さなかった。
「..........どうした？」
俺の声に、夏実はハッとして
「..........なんでもない(笑)」
そう言って笑った。
そういう時は、だいたい何かあるだろ......
長年付き合っていた彼女の癖は
今でも変わっていなかった。
「..........なんか、あったんだろ？」
夏実の隣に座って、顔を覗き込むと
少し驚いたような顔をした。
「.....あー。別に、大した事じゃないから」
ブラウンに染められた長い髪を
さらりと耳にかけた夏実は
俺から目を逸らすようにして
コーヒーを飲んだ。
「.......話せば、
少しは楽になったりすんじゃねーの？」
ほんの軽い気持ちで、
いや、この時すでに俺は
過去に引き摺り込まれていて
完全に忘れていた。
この直後、
俺のスマホから流れてくる音で
それを知ることになる。
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ぽんず - 作者コメのお祝いの下りにんん？、むんん？、んん？ってなった以外はおもしろかったです (2014年10月22日 0時) (
レス) id: 3248178f95 (このIDを非表示/違反報告)
癒華 - つまらなくないです。とても面白いです！ (2014年10月19日 13時) (レス) id: 7267c534d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥
| 作成日時：2014年2月16日 3時
