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side翔



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「.....やっぱり安田くん、骨折だったって。」




Aの家でレポート課題やりながら晩めし食って
おばさんが社員旅行のお土産だって
いろんなお菓子を出してきて。



Aの部屋でコーヒー飲んでるタイミングで
ユリからのメールを見たAは
そう言いながらため息をついた。



「....しばらく、サッカーできなくなっちゃうんだよね、きっと。」




俯いたまま、落ち込んだ様な表情を見せたAに
腹が立って。



「.....そんなに心配かよ。」



言ったらマズイな。とは思いながらも
抑えきれない嫉妬心を、コーヒー飲んでごまかすようにして
ポツリと、言ってみた。



「.....心配っていうか、可哀想だなって思ったの。
毎日すごく練習頑張ってるの知ってたから。」



隣に座ってるAは、スマホをタップして
手早く返信をしてから


もう一度深いため息をついて
スマホをテーブルの上に戻した。




「....お前が落ち込んでんじゃねぇよ。」



「いたっ。」



さっきから安田の事ばっかりのAにイラッとして
頭を軽く小突いてやったら
急に泣きそうな顔になって。


ヤベェな....ってめちゃくちゃ焦って。



Aの腕をグイッと引っ張って
後ろに回り込んで、ギュッと抱きしめてやった。


Aとの距離が急に近くなって
髪の匂いとか、柔らかさとか
突然襲ってくる刺激にめちゃくちゃドキドキする。





俺の腕にすっぽりと収まって
ちょこんと座り込んだAは
たぶん、嬉しいんだと思う。


素直に俺に寄りかかって
身を預けてきた。





「....どうしてそんなに怒ってるの？」


「怒ってねぇし。」



心の内をごまかす様にして
抱きしめる腕に力を込める。




「....怒ってるじゃない。」



Aが、ちょっと唇をとがらせてるんだって
後ろからでもわかる。


それが、めちゃくちゃ可愛いんだって事
Aは、全然わかってねぇんだろうな。



どうしても、その唇に触れる口実が欲しくて。




「.....お前が、かまってくれねぇからだろ？」


「.....え？」




不意に、振り向いたAの唇に
ものすごい勢いで吸い付いてやった。





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