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sideユリ




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ヤバ.....



今、一番会いたくない人に


今、一番最悪なタイミングで会ってしまった。




急いで頬を拭って。


その場を離れようとした。




「....待って！」





相葉くんは
早足で去ろうとする私を追いかけてくる。


逃げられるわけなんてない。


そう思っていても
自然と走り出していた。




「....ユリちゃん.....！」




グイッと右腕を掴まれて
引っ張られた拍子に、相葉くんと向き合うかたちになって。



ふと視線を上げたら
相葉くんと、目が合った。



ものすごく深刻な顔して
いつもニコニコしてる彼しか見た事ないアタシは
なぜか、胸がドキンとなった。




「....この間は....傷つけたまま返しちゃったから。
今度は....帰さない。」



アタシの目をジッと見つけた相葉くんに
そんなことを言われて


あなたが傷つけた訳じゃない。
アタシが勝手に傷ついただけなんだって
弁解したかったけど
口を開けば、また涙が出そうで。


相葉くんに掴まれた腕を
力一杯振り払おうとしたけど


スレンダーだけど、逞しい相葉くんは
びくともしなくて。


その腕に、すがりたい。



そんな気持ちにさえなった。




でもアタシは。


ついさっきまで、安田の事で頭がいっぱいで。
安田の事を想って泣いていたのに。



相葉くんにすがりたいなんて
調子のいいことを考えて。



そんな自分がまた許せなくなって。



なんだか気持ちがぐちゃぐちゃで
涙が溢れてきた。




「....どうして、泣いてるの？」



そう聞いてくれた相葉くんの声は優しくて。
全て吐き出してしまいたくなる。




ついさっき
勇気を出して打ち明けた想いは
いとも簡単に跳ね除けられて


必死に平静を装って別れてきたこと。


叶わない恋に
ピリオドを打って
今までの関係を必死に保とうとしてること。

全部受け止めて欲しくて。




でも。



.....できないよ。




そう思ったら
涙がまた溢れてきて。



視線を落としたら
ポロポロとそれがこぼれ落ちた。




そしたら不意に
ギュッと体があったかくなって。


気がついたら相葉くんの腕の中に
すっぽりと収まっていた。




「.....どうしたの？ユリちゃん......」



相葉くんが、耳元で優しく呟くから。





「.....っもぉ.....なんで、いるのよぉ.....！」




それだけ吐き出すのが精一杯で。




アタシは
相葉くんの腕にしがみついて泣いた。





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