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sideユリ




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「いらっしゃいませ〜！あら。」


相葉くんのお母さんが
安田に声をかけた。



顔見知りだったんだ。
そう思ってたら、相葉くんのお母さんが
アタシにも気づく。



「....あらっ！二人、もしかして付き合ってたの！？」




めちゃくちゃびっくりしたみたいな言い方で。

そりゃそうだよね。
だってつい一昨日、アタシはあなたの息子さんと一緒に中華丼食べてたんだから。



なんだか気まずくて
安田に答えを委ねたら。



「....違う違う(笑)
高校からの友達なんすよ。俺ケガしちゃったから
病院に付き添ってもらったんです。」



「....そ...うなの？
ケガなんて....大変だったわね。さ、早く座って！」




相葉くんのお母さんは
アタシにも優しく目配せしてくれて。

二人で奥の席に向かい合って座った。





ふと、厨房の奥に目をやると
ちょうど仕事に入るところだったのか

エプロンをかけて、キャップをかぶりながら
こっちに歩いてくる相葉くんと
目が合った。






アタシに気づいた相葉くんは、
一瞬時が止まったみたいにフリーズして

傷ついたような表情をして
すぐにアタシから、目を逸らした。




.....会いたかった、はずなのに。


安田と2人でいる、この状況では


.....会いたくなかった。






その後は、安田と二人で
中華丼を頼んで食べた。




「....やっぱ、お前も疲れたよな？」



「....え？」



「さっきから全然喋んないじゃん(笑)」



「....あー。そうかもね(笑)」


中華丼を食べながら
安田と何度もそんな会話をして。




窓の外を見るフリして
そこに映った相葉くんを目で追っていたけど。


アタシと安田が席を立って店を出るまで。



相葉くんとは、一度も目が会うことはなかった。







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「....ごちそうさま。」



「....いや、付き添ってくれたお礼だし。」




さっききこに来た時と同じように
松葉杖をついて歩く安田に、1歩後ろを
ゆっくり歩く。



その背中を追いかけて。
さっきは”好きだった“気持ちが溢れていたのに。



今は、相葉くんのことで
頭がいっぱい。


これって、何て言うの？
どういう気持ちなの？



自分自信でもわからなくて。


ぐるぐる考える。




「....なぁ、マジで大丈夫？」



気がつくと前にいた安田が
こっちを振り返っていた。





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