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今さらな、2人。 ページ41

sideユリ




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「....相当痛いっしょ？顔色悪いもん。」



「....ハハ。痛いって思ったらますます痛くなんだよ(笑)」



病院に着いて、受付を済ませて戻ってきたら
座って待ってた安田の顔が、ものすごく青白くて。




「....もう絶対折れてんじゃん。
試合でもないのに、なんか無茶な事したの....？」


こんなケガ、今までなかったから
珍しいなって思って。


隣に座って安田の様子を伺った。


「....いや、ボーッとしてた(笑)」


「....はぁ？」



エースストライカーがぼーっとしてるなんてことあるの？


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そういえば、学校からタクシーに向かう時

肩を貸してくれた櫻井氏が

『.....大丈夫かよ....？らしくねぇじゃん。』


って声をかけてたのを思い出す。



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「なんか、考え事でもしてた？」

「....そんなとこだね(笑)」




たとえ、そうだとしても。
その“考え事”を打ち明けられるような存在ではないのよね。アタシは。

それは、わかってたから。
それ以上深入りするのはやめた。



「....ごめんな。付き合わして。」




椅子に寄りかかりながら、安田がポツリと呟いた。



「....俺、サッカー取ったらそんな友達もいないし。
お前しか、頼めそうなヤツいなくてさ。」




“お前しか”



今さらそんな言葉が、なぜか胸に響いて。
急に寂しくなってくる。


もうちょっと、もうちょっとだけ
安田を好きでいたら
このまま、アタシのこと好きになってくれるのかもしれない。



なんて、バカな事考えて。
その隙間に、これから会いに行こうとしてた
相葉くんのことを思い出して

また胸が苦しくなる。


.....結局、どうしたいんだろう。アタシ。



「....お前も考え事してんじゃん(笑)」




隣の安田に突っ込まれて
我にかえる。




「....はは。マジだわ。
アタシもなんかボーっとしてた(笑)」





安田と二人で笑い合って。

今さら、二人の間にこんな和やかな空気が流れるんだって知った。





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