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「.....久々に新しい恋、したくなってさ。」


ユリちゃんは小さなため息をつきながら
私に話してくれた。



「.....恋？」


「.....そう。
相葉くん....さ。
もうちょっと仲良くなりたいな。って、思ったんだ。」


いつもはクールで表情をあまり出さないユリちゃんが
恥ずかしそうに話すのが

すごく、可愛くて。
なんだか胸がキュンとしちゃう。



「.....いつもは何も気にせずバイト終わりに一人でご飯食べに行ってたんだけど。

一昨日はさ。ちょっと何かを期待して。
わざと閉店間際に駆け込んだんだよね(笑)」



「うん。」


「そしたら、相葉くんから声かけてくれて
閉店後の店で一緒に食べたのよ。中華丼。

....それで、2人でいろんな話して。
めちゃくちゃ楽しかった(笑)」



相葉くんのお母さんが言ってた事
本当だったんだ。



ユリちゃんは、その時のことを思い出して
穏やかに笑ってて。
ホントに楽しかったんだろうなって
私まであったかい気持ちになってくる。



でも。
そこからは、どんどんユリちゃんの表情が曇っていった。



「.....きっかけは、何気ない事だったんだよ。
話の流れで.....相葉くんが、高校時代のアタシを知ってて。」


「.....え？」


「.....相葉くん。高校の時に安田のマーカーだったっんでしょ？
アタシその頃、安田の試合コッソリ観に行ってたんだよね。相葉くん、それに気づいてたらしくて。」



ユリちゃんは、そう言いながら
ちょっと泣くのを堪えてるみたいで。


「それで.....相葉くんは全部知ってるんだなって。

アタシが安田を好きで追いかけて大学に入って.....
でも安田はAのことが好きで.....アンタたちを引っ掻き回して.....
そんなヤツの事を好きなアタシを
相葉くんは、どんな思いで見てたのかなって思ったらさ....
あー(笑)なんかもう、すごいショックで......」


ユリちゃんは、机の上に突っ伏して
鼻をすすって。

またゆっくり顔を上げて、うつむいたまま。



「.....安田の事、忘れそうなくらい楽しかったのにさ。
相葉くんの事....もっと知りたいと思ったのに。
なんか、突き放されるのが怖くなって。
逆ギレして逃げて来たんだ。アタシ。」


ユリちゃんの、長いまつ毛が下を向いて
そこを伝って、ポロンと涙がこぼれ落ちて。


まるで。
相葉くんへの想いが溢れ出てるみたいだった。





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