すれ違った、2人。 ページ35
sideA
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「.....中華丼は、相葉くんのおごりだって。」
次の日。
講義が終わって、ユリちゃんと空き時間を講堂で過ごしてるとこに
昨日預かった“食い逃げの中華丼代”を返した。
「.....おごり...って。」
ユリちゃんは、すごく困ってたけど
それ以上に、また泣きそうになって。
お金をそっと、バッグの中に閉まった。
「.....相葉くんね、“ユリちゃんと夕ごはん食べれて
嬉しかった“って、言ってたよ?」
余計なお世話かと思ったけど。
どうにかしてユリちゃんの胸の内を明かして欲しかった私は。
昨日、相葉くんが話してた事を
ユリちゃんに伝えて
その反応を待った。
「.....ふーん。」
ただ相槌を打っただけのユリちゃんは
表情1つ変えないで。
ぼんやりと、講堂の前の方を見ている。
「.....ユリちゃんを傷つけるつもりは、なかったんだって、言ってたよ?」
めげずにそう言ったら
ちょっとだけ、ユリちゃんの表情が
動いた気がしたけど。
気のせいだったと思うくらい
本当に無表情で。
「.....嘲笑うつもりだったんじゃない?」
冷たい声で言ったユリちゃんに
なんだか悲しくなった。
「.....相葉くんは.....そんな人じゃないよ?」
高校の時からそう。
私の知ってる相葉くんは
誰に対しても優しくて、気が利いて
底抜けに明るい。
「相葉くんは.....誰かを陥れたり嘲笑うような人じゃないと思う。」
翔が大切にしてる友達だから。
なんだか余計に守ってあげたくて。
ユリちゃんに対して酷いこと言ってるんじゃないかって不安になったけど。
昨日の相葉くんの、落ち込んだ顔が思い浮かんで。
ユリちゃんにも、その気持ちが届くといいなって思いながら、話したの。
そしたらユリちゃんは
「.....わかってるよ。学祭の時だって、アタシ助けてもらったし。
悪い人じゃないって、わかってる。
....悪い人じゃないから.....さ。
アタシも、いい人でいたかったなって、思っちゃったんだよね(笑)」
「.....え?」
ユリちゃんが、突然打ち明けた話の中身が
どうも整理できなくて
「.....どういうこと?」
ユリちゃんに確かめようとしたら。
「.....え?」
って、逆にユリちゃんが
不思議そうな顔をして聞き返してきた。
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遥(プロフ) - 翔潤Loveさん» いつもありがとうございます!空回り翔くん....愛おしいですよね(*´-`)6章まで来てしまいました.....永遠に読める小説目指して頑張りまーすヽ(´▽`)/ (2020年12月1日 17時) (レス) id: ebcf222aae (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 花菜さん» 話のスジが読者様に丸わかりの連載wwwそれだけDSHの翔くんが単純でわかりやすいって事ですかねw最近ストーリー展開がゆっくりすぎて、クドイかなと思いながら書いてたのですが“丁寧に”という評価をいただけて嬉しいです(*´-`) (2020年12月1日 17時) (レス) id: ebcf222aae (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - mikkyさん» 待っていただいてありがとうございます!おかげで楽しく書き続けられてます(*´-`)大人な2人とピュアな2人....これからも見守ってくれたら嬉しいです!ピュアな2人....果たして逃げくれるのか!それとも追い越されるのか....乞うご期待ですw (2020年12月1日 17時) (レス) id: ebcf222aae (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - まみ公さん» ヤキモチ焼いて暴走する翔くん...きっとこれからも登場する気がしています(*^^*)そんな事してる間に、きっとユリちゃんと相葉くんは追い越していくw6章も待ってて頂けたら嬉しいです! (2020年12月1日 17時) (レス) id: ebcf222aae (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - さくさん» いとも簡単に追い越される翔くんを全速力で準備中ですw簡単に1つになっちゃったら、DSH終わっちゃう気がするので(笑)とか言ってると妄想の中の翔くんに怒られそうですね(´ー`) (2020年12月1日 17時) (レス) id: ebcf222aae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2020年10月18日 10時