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食べに行く、2人。 ページ28

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「おはよう.......？ユリちゃん.....大丈夫？」




朝からユリちゃんが
すごい目を腫らしてて。

濃いめのメイクでごまかしてるけど
全然隠し切れてないの。
こんなこと始めて。


「オハヨ。.....大丈夫だよ(笑)」



ユリちゃんは笑って返してくれたけど
その目、全然大丈夫じゃないよ？


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「昨日.....何かあった？」



ランチタイムでも
目の前のサンドイッチに全然手をつけないユリちゃんが、どうしても心配で。


思い切って聞いてみたの。
私にも何か、出来ることがあるかもしれないと思って。


そしたらユリちゃんは
深いため息をついて。



「いや....久々に泣いたのよ。昨日。」


泣きそうな顔で笑って
ポツリとそんな事を言うから


「どうしたの？悲しい事？
私に何かできることがあったら言って？」



もうホント、何でもいいからユリちゃんの役に立ちたくて。


向かい側のユリちゃんの顔を覗き込んだ。



そしたらユリちゃんは
しばらく下を向いて考えてから



「Aに.....頼みごとしていい？」


って言うから


「うん！もちろん！何でも言って！」

って。
ユリちゃんの言葉を、一字一句聞き逃さないように構えた。




「.....あのさ。相葉くんのお店に、お金払って来てくれる？」



「へ？」



「昨日、食い逃げしちゃって(笑)」



「.....え？」



予想外の展開に
思考が追いつかなくて。


一生懸命アタマの中を整理する。


ユリちゃんは昨日、相葉くんのお店に行って
食い逃げしたの？
それでこんなに目が腫れるくらい、泣く？？？




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「おっ！美味そうなサンドイッチ。」


ぐるぐると考えてたら
後ろから声が聞こえてきて。


ジャージ姿の安田くんが、こっちに歩いてくる。
それをぼんやりと見上げたユリちゃんは



「....まだ手ぇつけてないから、あげる。」


「マジ？サンキュ。」


安田くんは嬉しそうにサンドイッチを頬張って
そのまま午後の練習に行くって、去って行った。


その直後。
ユリちゃんが、泣くのを我慢したように見えて
なんだか私まで泣きそうになっちゃう。


きっと今日は、話す気力もないし
気持ちの整理もついてないんだなって思ったから。


ホントかはわからない
“食い逃げの中華丼代“を預かって
ユリちゃんと別れた。




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