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sideユリ



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「親父、オレもうあがっていい？」



中華丼を食べ始めて間もなく。
アイツの声が聞こえて。


ふと目をやったら。



キャップを脱いで前髪をかき上げながら
こっちに歩いてきて。


「.....一緒にメシ食っていい？」


って、アタシの顔を覗き込んだ。



「うん。」

即座に答えたアタシに


「やった！」


って、顔をクシャってさせて笑って。

厨房にまかないを取りに戻った。






もうちょっと、悩めばよかったかな？

即答すぎて、言われるのを待ってたみたいじゃない？


自分でも焦るぐらいの
返事の早さ。
アタシ、絶対にどうかしてる。


そう思うのに、歩き回るアイツの後ろ姿を
目で追って
ドキドキが止まらない。



程なくして向かいの席に座ったアイツは
トレイにラーメンと野菜炒め、
ギョウザを乗せてて。



「.....めっちゃ食べるんだね。」


思わず本音を漏らしたら


「.....そう？」


って、言いながら
ギョウザの皿を、トレイから出して
アタシの前に置いて。



「コレは、一緒に食おうと思って。
よかったら、どうぞ？」


そう言ったアイツは
「いただきます」と小声で手を合わせてから
割り箸を割って、勢いよくラーメンをすすり始めた。



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「.....オレの名前、覚えてくれた？」


コップの水をゴクゴクと飲んで
アタシをちらりと見たアイツに。




「.....相葉....くん。」


実はちゃんと、鮮明に覚えてたアタシは
ちょっと戸惑いながら答えて。



「覚えててくれた！ありがとうユリちゃん！」



そう言って、またクシャって笑いながら
またひとくち水を飲んで。


「下の名前は雅紀って言うの。また覚えてくれたら嬉しいな！」



って、本当に嬉しそうな顔するから。

私も思わず、笑顔になって。


「.....ユリちゃん、笑うと雰囲気違うね？」


相葉くんはキラキラした目で
そんな事を言うから。


アタシ、普段どんだけ仏頂面なんだ？

って恥ずかしくなって目を逸らして。



そこからは黙々と、残りの中華丼を食べてた。



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