ら民町の化け物事情〜改〜

8話「厄介」 ページ8

ら「大妖怪決定戦には色んな町の妖怪が出場する。勿論妖怪の俺たち五大怪物も例外じゃない。

まぁ俺たちとぺいんと達は毎年出場してるんだけどまだ優勝したことねぇんだよな」



『えっ、そうなんですか？』



ぺ「同じく毎年出場してるチームが強すぎてねぇ…毎年ダントツ一位をかっさらってくの」




それは強い……。


私はまだぺいんとさん達の実力を把握していないがらっだぁさん達の実力は把握している。


そのらっだぁさん達を上回る程の力を持っているなんて…




き「なぁ〜に弱音吐いてんねん。そいつらをどうにかするっちゅうのを考えとるんやろ」



ら「そう！！そうなんだけどさぁ……」



み「もういっそ穀さない？そしたら俺たちの勝ちだよ」



ぺ「流石に思考が物騒」




考えが猟奇的な緑色さんを置いておいて、今回の議題はそれなのか。


優勝を狙うならその例のチームをどうにかしないといけない。


それならそれを上回る力を身につければいいのでは…？


ほら、ゲームでも勝てない相手がいるならレベルを上げてゴリ押ししたら勝てるみたいな。




ら「…A、力をつければいいんじゃない？とか考えてる？」



『え、なんで分かったんですか？』



ら「ッカー！！やっぱり！俺達もそれは考えてたんだよーー！！」




らっだぁさんが机に突っ伏して泣き出す。


“考えてた”って…なにが、…


すると包帯でグルグル巻きのぺいんとさんの隣に座っている方が口を開いた。




「実力をつけて相手の実力と同じくらいになったとしても、

相手も流石にこの一年で力をつけていますからね。実力を上げても相手との距離は縮まらないんですよ」



『そ、そうなんですか……』




それは厄介だ。と言ってもそりゃあそうだろう。


相手も大会のために力をつけているのだから。


確かに………突破口が思いつかない。

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