43話「記憶」 ページ43
「ッ、！ダーぺ！！！」
「チッ……ってぇなぁあ"？！」
俺が殴ったそいつの左頬は赤くなっていて。
不機嫌そうにしながら痛がっているそいつを見て「ありえない…」としにがみくんが口を開いた。
「堕天使に攻撃が通用している…？そんな…天使に並大抵の攻撃が通るはずがないのに…！」
「話聞いてる限りその体はまだぺいんとさんなんでしょ。だったら今はゾンビと堕天使のミックス種族のはず。
「うざってぇなぁ…ッ」
2対4。戦況は明らかに俺らが不利だ。その上目標であるAは向こう側、そしてこっちは動けない奴が3人。いつこいつらが傷つけられて人質に取られるかもわかったもんじゃない。それに＿＿＿。
チラッと敵を補足する。しにがみくんは転送魔法とさっき起こした冥界召喚魔法で妖力がそこまでない。トラゾーさんも生贄として重要なAを持っている以上そこまで大胆な行動は起こせない。……となると厄介なのはやっぱり＿。
「くそ……、おい猫又！援護しやがれ！」
「…出来るだけのことはするけど、行き過ぎたら俺は全力で君も止めるからね」
唯一手が空いているクロノアさんと目の前の紛い物だ。これで2対2に持ってこれたとは言え戦力としてはやっぱりこっちが低いように思える。
くそ…っ、早くしないと隙を見られて撤退される…。
「おいおい、なんて顔してんだよ。そんなにこの女が大事なのか？」
「あたりめぇだろ。俺たちの、大事な仲間だぞ」
「お熱いこった」
体を揺らしながらゆっくりと立ち上がったそいつの赤い瞳が激しく光る。
俺は拳を強く握り直してそいつから目を逸らさないように気を張った。
すると、そいつは突然眉を下げながら不敵に笑い始めた。
「薄々勘づいてはいたが……この雪女、【あいつ】にそっくりだよなァ。らっだぁ」
「……てめぇ、ッ…」
その言葉に思わず体が固まってしまう。
こいつ、言動や妖力がぺいんととは全くの別人のくせに根底は正にぺいんとそのものじゃねぇか……！
「らだおくん…？あいつ、って…？」
「……ッ、別になんでもねぇよ」
後ろで心配の声をあげる緑色の声を背中で受け止めながら歯を食いしばる。
その顔といい、その声といい、記憶といい、本当につぐつぐ腹の立つ野郎だな。
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黒狐 - …！前の作品も読ませていただいてました!リメイク版してるのみて駆けつけました!リメイク版も面白いですね!同じ作品を2度楽しめてこちらも楽しいです！ありがとうございます！更新応援してます! (4月23日 22時) (
レス) @page43 id: fb020f6fb3 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 2.3年前から読ませて頂いていて何度も読み返すほど大好きな作品です!リメイク前の方も読ませて頂いてます!変わった妖怪という世界観だったりする所やストーリー 設定などとても面白くてめちゃくちゃ好きですまたいつか続きが読める事をずっと待っています。失礼しました (7月3日 11時) (レス) id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ミドロ - なにこれ……か、か…！神作じゃねぇかよぉぉぉぉぉ！！！！更新頑張ってください！！！！ (5月30日 13時) (レス) @page14 id: 9d7832c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - まだ待ってますから、どうか続きを恵んでください (2022年9月11日 17時) (レス) @page14 id: 44c169a7de (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - 凄い………私もこんなの作って見たいのですか妖怪などが思い浮かばないです……少しだけ真似してもよろしいでしょうか(土下座)続編待っています!! (2022年1月30日 9時) (レス) id: 30ab8735d2 (このIDを非表示/違反報告)
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