39話「怪物たちの希望」 ページ39
「ぺいんとの人生はぺいんとのもの。らっだぁさんは先程そう言いましたよね」
縛られている俺を見下ろしながらクロノアさんは優しい
世間話をするかのような、何気ない表情と口調に俺たちは本当に現在進行形で敵対しているのかと疑いたくもなってしまう。
「その話に関してはその通りだと思います。ゾンビとしての生を受け入れた今のぺいんとに、罪が許されたから天使に戻れるよと言っても酷な話です。＿＿正直、俺たちも神からの通達には不信感を抱きましたよ」
「…だったら、尚更なんで。俺はあんな腐ったような奴らと同じ種族にぺいんとが戻ることに反対ですよ。あいつが他の天使と違う、っていうことは分かってま＿＿」
「僕たちが、」
俺が言い終わる前にさっきからずっと黙っていたしにがみくんが言葉を被せてくる。
身の丈に合わない紫色のローブを引きずって、自分の背丈より何倍も大きい鎌を震える手で持ちながら、涙を浮かべた眼で俺を見下ろした。
「僕たちがぺいんとさんに救われたからッ！！それ以外に理由なんてありませんッッ！！」
さっきまで怯えて震えていたその紫が嘘かのように、決心したその瞳に思わず目を見開く。
クロノアさんとトラゾーさんも賛同するように静かに首を縦に振っている。
「ぺいんとさんは、天使としての役目に誇りを持っていたんです。「他人を笑顔に出来る、他人に手を差し伸べられる、困っている人を助けることが出来るのは天使として最高の役目だ」って」
震える口調のしにがみくんの口から発せられたぺいんとらしいその言葉に、俺は苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべる。
嗚呼、あいつはそんな奴だ。見返りを求めるわけでもなく、信仰を求めるわけでもなく、ただ困っている人が目の前にいたから。それだけが原動力となってあいつを動かしている。
＿＿＿だから、あんな目にあったっていうのに。
「人を助けるその姿に、僕たちは惹かれたんです。誰にでも眩しい笑顔を見せるぺいんとさんに。僕たちは……もう一度、そのぺいんとさんが見たいだけなんです…ッ」
涙を流すしにがみくんに俺は思わず目を逸らしてしまう。
そんなの、俺だってずっと思ってた。俺だって、あの時のぺいんとを見たみたいなんて淡い希望を抱いていた時期があったんだから。
「そういうことだ。こいつらのしょうもねぇ希望が神の目に留まったんだ」
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黒狐 - …！前の作品も読ませていただいてました!リメイク版してるのみて駆けつけました!リメイク版も面白いですね!同じ作品を2度楽しめてこちらも楽しいです！ありがとうございます！更新応援してます! (4月23日 22時) (
レス) @page43 id: fb020f6fb3 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 2.3年前から読ませて頂いていて何度も読み返すほど大好きな作品です!リメイク前の方も読ませて頂いてます!変わった妖怪という世界観だったりする所やストーリー 設定などとても面白くてめちゃくちゃ好きですまたいつか続きが読める事をずっと待っています。失礼しました (7月3日 11時) (レス) id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ミドロ - なにこれ……か、か…！神作じゃねぇかよぉぉぉぉぉ！！！！更新頑張ってください！！！！ (5月30日 13時) (レス) @page14 id: 9d7832c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - まだ待ってますから、どうか続きを恵んでください (2022年9月11日 17時) (レス) @page14 id: 44c169a7de (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - 凄い………私もこんなの作って見たいのですか妖怪などが思い浮かばないです……少しだけ真似してもよろしいでしょうか(土下座)続編待っています!! (2022年1月30日 9時) (レス) id: 30ab8735d2 (このIDを非表示/違反報告)
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