13話「雪女の期待は泡となる」 ページ13
ら「これなんていう植物？」
『………へ？』
あの後気持ちを入れ替えて仕事を再開しようと思っていた私のもとに、「調子どう？」と気さくにらっだぁさんがやってきた。
『おかげさまで』と一言返して再び水やりを開始すると隣でらっだぁさんが興味深そうに植物たちを見ているところに少し胸を打たれる。
今まで水のかけすぎや肥料の与えすぎでレウクラウドさんに怒られていたあのらっだぁさんが、植物に興味を持っているだなんて………。と感心しているとらっだぁさんが突然顔を上げた。
ら「そういやAって怪物になってから町には降りた？」
『えっ？い、いえ……まだ降りていませんが…』
「そうだよなぁ」と言い、にへらと笑うらっだぁさんに思わず首を傾げてしまう。
らっだぁさんはポケットから一つの紙切れを取り出すと、ジョウロを持っていた私の手を取って一つそっと握らせた。
ら「ちょーっとこっちの事情があってさ。Aには夕飯後に買い出し行ってもらおうと思ってて」
「夕飯後」。その言葉が頭の中で響き渡る。
夕飯後は確か皆さんが大妖怪決定戦に向けて特訓を始める時間帯であり、私が皆さんの実力を見る絶好の機会の時間。
『か、かか買い出し？！何故！？』
なのに買い出しだって？！冗談じゃあない！
柄にもなく目を見開かせてらっだぁさんに詰め寄ってしまったものの、らっだぁさんは「おぉ、その顔も可愛い」と笑うだけで私の真剣さが伝わっているようには見えなかった。
ら「そりゃあ俺だってぺいんとの顔をぶん殴ってAに『キャー！らっだぁさんステキーッ！』って言われたいけどさ」
『いや流石に言いませんが…』
ら「Aが居るとちょーっと厄介なことがあって、さ？」
私が居ると、厄介？
意味が分からず益々怪訝な表情を浮かべているとらっだあさんは焦ったように「あ、違う違う！」と弁明を始めた。
ら「ほら、やっぱ特訓だからさ？贔屓無しの実力を見たいわけ！俺ら青鬼の館はAが居る、ってだけでステータス上がるからさ？」
『そうなんですか？』
ら「そうそう！もう緑色なんて全部上がる上がる！だからそんなの不公平だしデータも取れないじゃん？」
怪しい。
何かを隠しているようにしか見えないらっだぁさんを怪しむように睨んでいると少しづつ肩身が狭くなっていっているのが目に分かる。
そこまでして隠したいものがあるのか。私には分からない。
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黒狐 - …！前の作品も読ませていただいてました!リメイク版してるのみて駆けつけました!リメイク版も面白いですね!同じ作品を2度楽しめてこちらも楽しいです！ありがとうございます！更新応援してます! (4月23日 22時) (
レス) @page43 id: fb020f6fb3 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 2.3年前から読ませて頂いていて何度も読み返すほど大好きな作品です!リメイク前の方も読ませて頂いてます!変わった妖怪という世界観だったりする所やストーリー 設定などとても面白くてめちゃくちゃ好きですまたいつか続きが読める事をずっと待っています。失礼しました (7月3日 11時) (レス) id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ミドロ - なにこれ……か、か…！神作じゃねぇかよぉぉぉぉぉ！！！！更新頑張ってください！！！！ (5月30日 13時) (レス) @page14 id: 9d7832c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - まだ待ってますから、どうか続きを恵んでください (2022年9月11日 17時) (レス) @page14 id: 44c169a7de (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - 凄い………私もこんなの作って見たいのですか妖怪などが思い浮かばないです……少しだけ真似してもよろしいでしょうか(土下座)続編待っています!! (2022年1月30日 9時) (レス) id: 30ab8735d2 (このIDを非表示/違反報告)
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