大嫌いって言わないで４ (ページ39)

今日:20 hit、昨日:7 hit、合計:72,815 hit

一緒にご出勤ページ39

朝食を食べ終え、二人揃ってAさんの部屋を出ると駅に向かいました。

きちんとアイロンがけされたYシャツと、綺麗に洗濯された下着からは

Aさんの使っている柔軟剤の香りがしてきます。

ちなみにバラの香り。

満員電車に乗り込み電車に揺られ、先に降りるのはAさん。

電車が停車すると比与太に声をかけて扉の方を向くAさん。

｢じゃあね、比与太｣

比与太｢うん、いってらっしゃい。頑張ってね｣

｢比与太もね｣

ニコッと笑ったAさんに、もう朝から比与太はメロメロメロンです。

プシュー……

一人になって、ギュウギュウにまた押されながら発車した電車。

そばにあった吊革を掴みながら、Aさんのことをただひたすらアホ面で考えておりました。

それはもう、えげつない細部のことも。

駅を降り会社に向かった比与太

いつもより早い時間の出勤なのですが

機嫌良くルンルンとオフィスに出勤すれば、Aさんのお兄さんがもうパソコンを開いていました。

比与太｢せんぱ～い♪おはようございまぁーす！｣

兄｢おう、おはよ｣

コーヒーを飲みながら、いくつかのファイルを開きそれを見ながらまた指を動かす。

お兄さん、忙しそうっすね。

比与太｢先輩？何か急ぎですか？｣

兄｢まぁな。急に今扱ってるとこの資料が確認したいとかで、俺のとこに連絡はいって｣

比与太｢そうなんですか｣

兄｢いつもより早いから眠いわ……って、あれ？比与太も早いな？｣

いつもより早く出勤してきた比与太に今気付いたお兄さん

『待ってました』とでも言いたそうな比与太は、お兄さんに言いました。

比与太｢実はお兄様。今日はAちゃんちから出勤だったんですよ。｣

兄｢泊まったんだ？Aんち｣

比与太｢はい～♪初めて～ムフフ｣

乙女のような比与太に、若干引き気味なお兄様。

兄｢まぁ～仲良さそうで良かった｣

比与太｢……許してください、先輩｣

突然お兄さんに謝った比与太

お兄さんはポカン。

兄｢あ？｣

比与太｢僕、お兄様より早く結婚してしまうと思います。｣

兄｢は？｣

比与太｢昨日ビビッときちゃったんですよね～……。結婚したいって｣

アホ面はそのままに、熱く語る比与太

しかしお兄さんは慣れているので、仕事の手は止めません。

だって忙しいから。

兄｢へぇー｣

比与太｢僕はAちゃんを幸せにするために産まれて……｣

現坦｢おーい！比与太！｣

比与太｢産まれて……っは？｣

今日も仕事頑張れ。