大嫌いって言わないで４ (ページ38)

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翌日

枕元の目覚ましがなって目を覚ました比与太

眠い目を擦りながら起き上がると、ベッドにはAさんの姿はありませんでした。

代わりにあったのは、美味しそうな香り。

メゾネットの2階からそっと顔を出すと、下ではご飯の用意がされていました。

昨日着ていたスエットをベッドの下から拾い上げてそれを着て

のそのそとしたに降りれば、Aさんが比与太に気付いて『おはよー』と声をかけました。

比与太｢おはよ、Aちゃん｣

寝起きでボサボサ頭の比与太と、もう出勤の準備が終わっているAさん。

リビングのソファに置かれた洗濯物を手に取ったAさんは、それを比与太に渡しました。

｢乾いたよ。Yシャツアイロンしといたからね｣

比与太｢えっ！？｣

｢早く着替えて顔洗ってこいっ！｣

比与太｢はっ！はいっ！｣

比与太は慌てて洗面所に向かうと、入り口の手前であなたに振り向き

比与太｢Aちゃん！ありがとう！｣

と満面の笑みでお礼を言いました。

｢うん(笑)｣

そして着替えをしながら思ったことは

『結婚したい』

Aさんとずっと一緒に生きていきたい

ということでした。

身なりを整えて着替えを済ませた比与太

洗面所を出て直ぐにAさんの作った朝食を食べ始めます。

比与太｢Aちゃん、昨日凄くお酒飲んだみたいなのに

よく起きられたね｣

｢まぁね｣

比与太｢それにちょっと夜更かしもしちゃったのに、ねっ！｣

｢比与太が夜更かしさせたんだっての｣

比与太｢あのさ、Aちゃん？｣

｢ん？｣

比与太｢昨日のこと、全部覚えてるの？スゲー酔ってたけど｣

会話のなかで湧いた疑問。

いつものAさんとは明らかに違っていた昨夜。

とても酔っているのだろうと思っていた比与太ですが

酔っていて覚えていないとしても納得なのに

今の会話ではそんな感じはしない。

酔って記憶を無くすことは無いのだろうか？

とても素朴な疑問でした。

｢全部覚えてるよ？たまーに所々記憶な消すときもあるけど。

昨日は自分がお風呂入ってるとき以外全部覚えてる｣

比与太｢は？お風呂の記憶無いの？｣

｢うん。毎日同じことしてる行動を忘れる時がたまにある｣

比与太｢なんだそれ……ふしぎ｣

と、言うことは・・・

ベッドのなかでの事は全て覚えているのか

と、考えた比与太。

比与太｢ハズイ……｣

｢ん？｣

泣いてしまった自分を思い出し、比与太は耳まで真っ赤にして頭を抱えて俯いてしまいました。