☆ ページ5
「あの、さぁ」
夜道を帰って門を潜れば私の家。
玄関先、思いを撒いてしまおうと声を上げる。
蜜璃ちゃんのわかっていなさそうな瞳が私を捉えた。
「もうやめようよ、こんなの、おかしいよ」
そう言えば、不思議な物を見せつけられたように私をみて首を傾げる。
「何がおかしいの?」
「ぜ、ぜんぶおかしいよ、」
呟いた言葉は届いていたようで、だんだんと顔が悲しみに曇っていくのが分かった。
上唇をつん、として下唇を強く噛みしめる蜜璃ちゃん。
そんなのしらない、と言わんばかりに私の口は止まらなかった。
まるで蜜璃ちゃんの、おかしい、という言葉が引き金みたいに。
もしこれがキネマだったなら。
もう二度とは見たくないでしょうね。
悲痛に叫ぶ声が突き刺さる。
「おかしいって!全部全部おかしい!」
「騙してたのね、私の事騙してたのよ!」
「いつだか、言ったじゃないの、好きだって、だいすきだって言ってくれたじゃないの、貴方がいないとちっとも楽しくないって、死んでしまうって、言ったじゃないの」
「だから、それだから、用事も最低限、ほっぽって任務だらけかわからない貴方におめかしして、可愛いって言われるのが嬉しくて嬉しくて、貴方に認めて欲しいって、愛して欲しいって、そればかり考えているのに」
「なのに、男性が来ればすぐに惚れ込んで、私が男性恐怖症をいいことにして!いくら私が貧弱で貴方の理想に届かないからって捨てるの?捨てるのね!」
「あんまりよ、あんまりよ…っ」
今の私は酷い泣きべそ顔。
手で拭うたび、手の甲には白粉が溶けて白く染める。
蜜璃ちゃんは、酷く傷付いた表情で私を見た。
本当は、こんな顔させたいわけじゃないのに。
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紅葉(プロフ) - 両性愛者の件って、善逸君ですか? (2020年4月7日 15時) (レス) id: 9e5b6a6426 (このIDを非表示/違反報告)
ぶちゃ(プロフ) - あっっっっっ(尊死) (2019年12月18日 15時) (レス) id: fb2695ac36 (このIDを非表示/違反報告)
うぇい - んあ”っ!!、、、、好きィイィィィイィ!!更新頑張って下さい!!(・∀・)♭ (2019年12月15日 13時) (レス) id: 55820afc03 (このIDを非表示/違反報告)
レン - あぎゃああああああ見ました!!!!しのぶさん攻め攻めじゃないですかすき!!!!!!甘露寺ちゃんはどん攻め攻めになるのか楽しみです… (2019年11月28日 5時) (レス) id: a8756ff415 (このIDを非表示/違反報告)
いぬお(プロフ) - まめさん» あ、ありがとごじゃいやす (2019年11月26日 18時) (レス) id: 5294fb0fb4 (このIDを非表示/違反報告)
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